prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」

2008年10月04日 | 映画

パリ、といってもユダヤ人やアラブ人がごっちゃに住み、売春婦の立ちんぼうが大勢たむろしているような地域が舞台。何度も階段を通って外に出て行くのが、「底辺」の感じを出した。
その中で生きるユダヤ少年とアラブ人の老人の交流を描くのだが、細かい文化的背景などちょっと日本人にはわかりにくい感じ。

一時期まったく落魄していた観のあったオマー・シャリフが、歯の欠けた姿を逆に生かしてカムバック(セザール賞最優秀男優賞受賞)に成功したので有名。
[アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」で有名だが、もともとエジプト出身で、ロシア人やキューバ人、なんと日本映画「天国の大罪」で中国マフィアの役をやる(!)など、西欧から見た「周辺」の人間はいくらでも入れ替え可能といった(アンソニー・クインにも見られる)曖昧な人種的イコンとして扱われていたキャリアが、他の人種との「交流」に生かされているのを買われた印象。

貯金箱がフランスでもブタの形をしているのがわかる。なんでブタなのだろう。丸くてたくさん入るからか?
(☆☆☆★)