WALKER’S 

歩く男の日日

1812年とスラブ行進曲

2007-11-20 | 演奏会
 昨日のFMでこの2曲が同じ番組で流れました。クラウディオアバド指揮ベルリンフィルの演奏。12種と9種の録音を持っていますが、初めて聴く録音でした。このペアリングもありそうでなかった。このペアはぼくにとって格別の意味を持つものです。1812年は大学4年の定期演奏会のメイン、スラブ行進曲は高校3年の時の文化祭のメインでした。両方ともぼくがやりたくてやったものではありません。スラブ行進曲は2年先輩指揮者の毛利さんが推薦してくれた。当時のライブラリーは極端に貧弱なものだったから選択の余地はなかった。1812年は定演の選曲委員会でトランペットの小山田が推薦したもので、ごくすんなり決まった。この時のプログラムには半分くらいぼくの推薦したものが入ったのですが、メインに関しては全く推す曲がなかったのでぼくも賛同しました。でも決まった後でも、OBからはものすごく反対されました。あからさまに変更せよ、と迫る人も居たくらいです。大学の定演では、もっと革新的な、挑戦的な、高度な、斬新な曲を選ぶべきだという考えがはびこっていたようです。でも、数年前にはこの曲を定演のメインでやっているのですよ。訳がわかんないので、あっさり受け流しました。正解でした。聴衆には最高に受け入れられたのです。アンケートは例年の1.5倍も返ってきたし、その中でダントツに人気があったのがこの1812年でした。聴衆は高度な革新的なものを求めてはいない。新しくなくてもいい。べたなものが大好き。分かりやすくて盛り上がれて楽しめるものこそを求めている。