WALKER’S 

歩く男の日日

極楽橋から

2007-11-13 | 日記

 南海高野線終点の極楽橋から総本山高野山金剛峯寺へ行くには、ケーブルカーとバスを乗り継いで30分。でもぼくはケーブルには乗りません。300円もするし、ちゃんと歩いて登る道が通じてもいる。わずか3300mです。しかもこの道は高野山への表参道だったと思われる。電車が通じるまで、総てのお遍路さんやその他の参拝客もこの山道を登ったに違いない。さらにさかのぼること1100年、弘法大師もこの道を登って大仏教都市を築いたのかもしれない。そういうことを考えると気軽に文明の利器を使うのはどうか、という気になる。でも2両編成の電車で一緒に来た総ての乗客は迷わずケーブル乗り場へ、一人山道を登り始めたのですが、容易ではありませんでした。あの急勾配のケーブルカーが5分もかかる山の上ですから、無理もない。さすが1100年の歴史を誇る表参道だけあって、幅も広くよく整備された道で登りやすいのですが、とにかく坂がきつく、全く平らなところがない。思わず半年前歩いた四国の山道を思い出す。35分かかって漸く最高所、女人堂に到着、2400mの距離だから時速は4.1km。普通の人は50分かかるというから、ケーブルに乗るのはむしろ当然。女人堂から金剛峯寺までは1km、やや下りの広い道を駆けるように8分ほどで到着。半年ぶりに般若心経をあげる。総本山であげるのは格別、気持ちが引き締まります。ここから弘法大師がおられる御廟、奥の院までは2600m、その3分の2を占める一の橋から御廟まではお墓の中の道です。戦国武将や有名な大名の巨大な墓石を見学しながら歩を進める。それらの大名のお墓は地元の菩提寺にあるはずなのに、なぜにここに一堂に会しているのか全く不思議です。
 御廟では脱帽、撮影録音不可、本当の聖域です。四国を歩いた人は皆ここに来る。御朱印を貰わなければ納経帳が完成しないからだと思っていたのですが、むしろ、この大師の前で般若心経をあげないと遍路は完成しない、そういうことなのだと思い知らされました。
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