駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

NYLON100℃『消失』

2009年12月24日 | 観劇記/タイトルさ行
 紀伊国屋ホール、2004年12月9日ソワレ。
 幼いころに両親が離婚して以来、チャズ(大倉孝二)とスタンリー(みのすけ)は兄弟ふたりきりで暮らしている。クリスマスイブに、スタンは想いを寄せている女友達ホワイト・スワンレイク(犬山イヌコ)を招こうとしているが…作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ。一幕。

 NYLON100℃の舞台がずっと観たくて、『ドント・トラスト・オーバー30』がすごく良くて、前作『男性の好きなスポーツ』もすごくいい評判ばかり聞いていて、飛びついて買ったチケットだったんですけれど、ねえ…

 愛している人を失ってしまった。だけどまだ愛しているからヒトガタを作った。いけないことだとわかってはいたけれど。
 それで?
 だってよくあるお話じゃない。だからオチが、結論が、意味が知りたくなってとうぜんじゃないですか? だけど、何もなかった。私には読み取れませんでした。
 半数が死者になって半数は生者として残って、生者は男と女と天使、みたいなもので、あとは小鳥、それが世界、みたいな? うーん。
 パンフレットの言葉より。「僕は出来不出来の激しい作・演出化だとよく言われますが、ある意味それは褒め言葉だととらえています。/ある人にとっては出来の良い作品に思えたものが、別のある人にとってはピンとこなかったり、あるいは、ある人が最悪だと思ってもまた別の人にとっては一生の宝物になるような、そんな芝居を作り続けていけたらな、と。そうした意味で、出来不出来を連ねてゆけるといい」確かに私の隣の女性客は大泣きしていました。だから何かがあるのでしょう。うむ。
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