OL二ノ宮こと葉は想いを寄せていた幼なじみの結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で、涙があふれるほど感動的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉は、すぐさま久美に弟子入りするが…目頭が熱くなるお仕事小説。
何作か読んでいる作家なのですが、私には当たり外れが大きく感じられ、またこの作品に関しては何故か、結婚式にまつわる恋愛ものの連作短編集だと勝手に思い込んでいて、ずっと手を束ねていました。でも好評は聞いていましたし、ドラマ化が決まって文庫になったようなので、やっと手に取りました。
結婚式小説ではありませんでした。スピーチ小説、演説小説でした。そういう方向の「お仕事もの」だったのですね…
私は高校時代にディベートにちょっと興味を持ったことがあって、何かのきっかけがもうちょっとあれば仕事としてそういう方向に進むのもアリだったのかもしれない、とかちょっと思っているのです。そもそも言葉というものに興味があったし、当時書かれる言葉よりむしろ「語られる言葉」に強く関心を持っていたんですね。私は子供のときから能弁で、というか手より口が早いタイプで、みんなを口で指示して仕切って自分は何もせず胡坐かいてグループを統率しているような子供でした。もう少し成長するとそんなサル山のボスみたいなことはしていられなくなるわけで、もっと個人としてきちんと発言したりそれこそ討論になったりとかはそれこそ委員会とか生徒会レベルでも出てくる事態なわけですが、言葉が拙すぎて議論が成立しなかったり伝えるべきことが上手く伝えられなかったり、というような場面を見てきて、なんかもっとうまくやれる方法があるはずなのに…と思っていたりしたのでした。
国会の答弁なんかもしかりですよね。海外ではもっと演説やスピーチが重要視されているのに、日本では弁が立つというのは口ばっかりで中身がないように取られることが多いようで、でもそういうことも不満でした。言葉だけで中身や実行が伴わないのはもちろんダメだけれど、でもまず言葉でだけでもつかめるもの、伝えられるものがあるだろう、とずっと思っていました。
日本ではこういうスピーチライターやイメージ戦略、ブランディングの仕事はまだまだ浸透していないのでしょうかね。私はとても大事なことなんだと思うけれどなあ。そういう部分を扱った、まあ全体としてはややぬるく、予定調和な話なんだけれど、うるうるしながら読みました。映像化に向いている作品だと思います、楽しみです。
何作か読んでいる作家なのですが、私には当たり外れが大きく感じられ、またこの作品に関しては何故か、結婚式にまつわる恋愛ものの連作短編集だと勝手に思い込んでいて、ずっと手を束ねていました。でも好評は聞いていましたし、ドラマ化が決まって文庫になったようなので、やっと手に取りました。
結婚式小説ではありませんでした。スピーチ小説、演説小説でした。そういう方向の「お仕事もの」だったのですね…
私は高校時代にディベートにちょっと興味を持ったことがあって、何かのきっかけがもうちょっとあれば仕事としてそういう方向に進むのもアリだったのかもしれない、とかちょっと思っているのです。そもそも言葉というものに興味があったし、当時書かれる言葉よりむしろ「語られる言葉」に強く関心を持っていたんですね。私は子供のときから能弁で、というか手より口が早いタイプで、みんなを口で指示して仕切って自分は何もせず胡坐かいてグループを統率しているような子供でした。もう少し成長するとそんなサル山のボスみたいなことはしていられなくなるわけで、もっと個人としてきちんと発言したりそれこそ討論になったりとかはそれこそ委員会とか生徒会レベルでも出てくる事態なわけですが、言葉が拙すぎて議論が成立しなかったり伝えるべきことが上手く伝えられなかったり、というような場面を見てきて、なんかもっとうまくやれる方法があるはずなのに…と思っていたりしたのでした。
国会の答弁なんかもしかりですよね。海外ではもっと演説やスピーチが重要視されているのに、日本では弁が立つというのは口ばっかりで中身がないように取られることが多いようで、でもそういうことも不満でした。言葉だけで中身や実行が伴わないのはもちろんダメだけれど、でもまず言葉でだけでもつかめるもの、伝えられるものがあるだろう、とずっと思っていました。
日本ではこういうスピーチライターやイメージ戦略、ブランディングの仕事はまだまだ浸透していないのでしょうかね。私はとても大事なことなんだと思うけれどなあ。そういう部分を扱った、まあ全体としてはややぬるく、予定調和な話なんだけれど、うるうるしながら読みました。映像化に向いている作品だと思います、楽しみです。