駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

熱海五郎一座『プリティウーマンの勝手にボディガード』

2015年06月25日 | 観劇記/タイトルは行
 新橋演舞場、2015年6月24日ソワレ。

 何故か突然来日したハリウッドスター(春風亭昇太)のボディガードを元伝説のSP(大地真央)が勝手に買って出る。命を狙われたスターの謎を追ううちに、驚愕の事実が判明し…!? キャバレーを舞台にした歌ありダンスありのエンターテインメント東京喜劇。
 作/吉高寿男、構成・演出/三宅裕司。全2幕。

 ハートフル・コメディなんかではなく爆笑に爆笑を狙うフルスロットル・コメディ…とのことでしたが私は笑いには厳しいので(^^;)、もっともっとできるだろうヌルい!と思いながら観ていましたが、それでもやっぱり笑いました。楽しかったです。
 ただし正価で買ってたら怒ってたと思うけどな…新聞社の割引でそこそこの値段でかなりいい席が来たのでセーフ、という感じでした。外部のチケットは今ホントーに高くなってるなー!
 劇場も内容もノリも客層もザッツ・昭和、オーバー40の世界で、そういうのもたまには楽しかったです。魔王さまが聖子ちゃんカットでブリブリのアイドルソング歌って、トレーナーにスコートにポニーテールにポンポン持ったバックダンサーがコーラスするのにお茶の間感覚で笑えるのは、これくらいの世代までですよね。
 魔王さまはさすが軍服風のお衣装も着こなすしスーツ姿も素敵だしわざとくどいセリフ回しするのもおかしくて上手いし、ラストは大階段のてっぺんにセリ上がって真紅のドレスでお歌いになるのですからたまりません。しかも歌はあまり上手くないのがご愛敬(笑)、アイドルソングの方がよっぽど良かった…そこがまたたまりません。
 年齢的にはいい勝負だと思うのだけれど、そんな大輪の花を芸達者だけどくたびれたおじさんたちが囲む構造がまたおもしろくてシュールで、とても良かったです。
 セットチェンジの間、幕前で展開される小ネタとかがいちいちおもしろくて、芸の力というものをものすごく感じました。みんな歌えたり楽器ができたりとにかく声が良かったりするのもすごいことですよね。
 お話はタイトルどおりというか設定とギャグだけのごく単純なものなんだけれど、元夫婦が元サヤに?とか身を引いて初恋の人へのロマンスを応援?とか、ちょっとロマンチックな要素もあったので、もう少し作り込んでもよかったのに~と残念でした。そこまでできたらものすごくウェルメイドな人情喜劇、ロマンチック・コメディになったのになー!
 カテコの挨拶が漫談みたいでまた絶品でした。あ、前説もあった(笑)。花道も使うし宙乗りも披露するし、サービス精神にあふれたエンタメステージで、楽しかったです。



コメント
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