映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ペイン・アンド・グローリー(2019年)

2021-08-28 | 【へ】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv70635/

 

以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 脊椎の痛みから創作意欲も果て、生きがいを見出せなくなった世界的映画監督サルバドール(アントニオ・バンデラス)。心も体も疲れ果て、引退同然の毎日を過ごすなか、サルバドールは自身の記憶をたどっていく……。

 子供時代と母親、その頃移り住んだバレンシアの村での出来事、マドリッドでの恋と破局。その痛みは、サルバドールの中に今も消えることなく残っていた。

 そんな折、32年前に撮影し、長らく封印されていた作品の上映依頼が彼のもとに届く。思わぬ再会が心を閉ざしていたサルバドールを過去へと翻らせ、彼の心にもう一度生きる力を呼び覚ましてゆく……。

=====ここまで。

 アルモドバル版『ニュー・シネマ・パラダイス』だそーです。


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 これも、昨年公開時に見に行きそびれたのでした。コロナがなければ見に行っていたと思うけど。昨年からそんなんばっか、、、。それでも敢えて見たい!! というほどの映画もないといえばないんだよな~。

 アルモドバル監督作は、初めて見たのが『トーク・トゥ・ハー』(2002)だったと思うが、これがもうホントにダメで、、、。どうしてダメだったかも思い出せないくらい“とにかくダメ!!!”で、私にしては珍しく、途中で見るのを止めた数少ない映画の一つ。なのに、その後、なぜか『ボルベール/帰郷』(2006)をまたまたレンタルして見たら、これが結構良かった! とはいえ、アルモドバル作品はあんまし見たいと思えず、、、。本作は、何となく“枯れた感”があるような印象だったのと、スチール画像が結構いいな、、、と思ったので見てみようと思った次第。

 見終わってからネットを検索したら、アルモドバル版『ニュー・シネマ・パラダイス』とか書いてあったけど、私は映画好きを自称していながら『ニュー・シネマ・パラダイス』未見なんで、へぇー、としか、、、。

 老いて、あちこち身体にガタが来て、心まで弱って行く、、、、そして、再生の兆しが見える、ってのはよくある話だけど、最後まで退屈することなく見ました。アルモドバル自身とも言えるであろう、サルバドールを演じるアントニオ・バンデラスが良い感じに枯れていたのとか、サルバドールの部屋のインテリアがメチャメチャ素敵とか、ヘロインにハマって行くところがリアルでイタいのとか、、、。

 でも、私が心惹かれたのは、サルバドールの少年期のシーンの数々。母親ハシンタ(ペネロペ・クルス)と、父親が見つけた洞窟の家にやって来るサルバ少年。ハシンタが洞窟の家にかなり抵抗を見せるのだけど、すぐに切り替えて「住みやすくするわ」と夫に言うシーンとか、結構好きかも。

 この洞窟の家でのシーンが印象的なのが多いのよ。近所の字が読めない青年にサルバ少年が字や四則演算を教えてあげるんだけど、教え方がなかなか上手い。たかだか小学3年生か4年生くらいの少年で、あれだけちゃんと教えられるって凄いわ~と感心。

 本作の冒頭で、「刺激が強いので一部映像を加工しています」みたいなお断り文言が(もちろん日本語で)出るんだけど、どこでそれが現れるのかと思って見ていたら、終盤、サルバ少年に字を教えてもらっていた青年が全裸になるシーンだった。サルバ少年の家の壁にタイルを貼る作業をした青年は体が汚れたので、全裸になって水浴びをするんだが、これを隣室から見てしまったサルバ少年は発熱してぶっ倒れる、、、。別に、お兄さんの全裸を見たから発熱したわけじゃないんだが、そんな風に思わせる描写になっているのが笑えた。

 で、この青年は絵を描くのが好きで、サルバ少年の絵を描くシーンもある。この絵が、ラストに向けて鍵になるのだけれど、まあ詳細は敢えて書かないでおきます。この絵がステキで、絵にまつわるシーンも良いシーンだった。

 ……などなどの少年時代のシーンは実は、、、というのがラストシーンで明らかになるのだけど、これも見てのお楽しみということで。老いたサルバドールが再生したことも分かる、面白いラストだと思うわ。

 まあ、ストーリー的にはどうということはないのだが、私自身が歳を重ねて、こういう映画をちゃんと見ることが出来るようになったのかな~、と感じる次第。若い頃見ても、多分、あんましピンと来なかっただろうなと。そんな映画はいっぱいあるけど。大体、映画とか文学とか、もちろん若い頃に接することも大事だが、ある程度の人生経験を積まないと見たり読んだりしても分からないことが多いと思う。そういう意味では、歳をとることは良いことだと思う。まあ、同時に若い頃の自分があまりにも愚かで馬鹿であったと恥ずかしくなるばかりでもあるんだけれど。そして、懲りずに今も恥を上塗りして生きているわけだけど、、、ごーん。

 相変わらず、色彩豊かな画面がアルモドバル映画だな~、と思って見ていました。衣装のコーディネートとか、ホント、素晴らしい。ああいうセンス、私にもちょっとだけでイイから欲しいわ、、、。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ニュー・シネマ・パラダイス』を見てみよう、、、かな。
  

 

 

 

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2 コメント

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秋めいてきました。 (フキン)
2021-09-05 13:44:58
こんにちは、すねこすりさん🎵
今日は涼しいうえに秋晴れです。
どこかお出かけでしょうか??(^.^)

私アルモドバル作品は割と見てる方だと思いますが、私的には「トーク・トゥ・ハー」の内容は結構覚えてるんですが、「ボルベール」が全く内容覚えてない…汗。
確かに、トークトゥ・・は、なかなか気持ち悪いと言えば気持ち悪い内容でしたね。
(植物状態の女性の局部を男性看護師が洗浄するシーンがあった。その後、その植物状態の女性が妊娠。相手はその看護師の男だった。だが、妊娠の刺激❔でその植物状態の女性が意識を取り戻すという内容でした・・。)
病院では男性看護師のかたが増えて、女性の入浴の場にもいるみたいです。
(母が入院してた時、「今日のお風呂は男の人やった・・嫌やった、とこぼしてた)

母のような高齢でも、抵抗感持つのに若い女性はどうするんだろう・・・いや、そもそも年齢など関係ない!!男は嫌だ!!と思うのがあたりまえなのか?
それとも、医療現場で異性を意識するこっちが間違っているのか??と考えてしまうんでが。・・・・
などと、とりとめのないことをすねこすりさんにぶつけたりして…ごめんなさい。(=゚ω゚)ノ

へえ、こちらの作品アルモドバル版『ニュー・シネマ・パラダイス』と言われてるんですか??
私は未見なんですが、ニューシネは昔観ました。
でも、みなさんが(特に映画好きが)ニューシネを素晴らしい作品扱いしてるのがピンと来てなかったりする口です。
若かったからかな・・・??

いやそれより!
すねこすりさんがニューシネを未見なのは意外でした!!笑
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太陽が恋しい。 (すねこすり)
2021-09-05 21:32:00
フキンさん、こんばんは~☆☆
トーク・トゥ・ハー、内容はまるっきり覚えていないのに、とにかく最初の30分くらいでダメダメダメ!!!って感じになったのだけはよく覚えています。
そんな気持ち悪いお話だったのですか、、、。やっぱ、見るのやめておこう。
ボルベールも、ちょっとなぁ、、、ってのはありましたが、大丈夫でした。
いや、歳は関係ないと思います。
少し前に新聞の投書欄に、年配の男性が銭湯に行った際「浴場に女性の清掃員が入ってきて不快だった!!」とお怒りの投稿をされていましたね。
そしたら、翌週ぐらいに「清掃員の女性も嫌だけど仕事だから仕方なくやっているだけだと思うよ」という内容の投稿が載っていました。
男でも嫌だと思うのですから、女でも嫌なものは嫌ですよ。
医療ならなおさらでしょう。
義兄が産婦人科医ですが、男の婦人科医だけには診てもらいたくないと思いますもんね。義兄には言えませんが。
ニューシネ、未見です!(威張ってどーする^^;)
映画好きとか言いながら、ローマの休日、BTF、スターウォーズ、スタンドバイミー、等々、見ていない有名映画、いっぱいあり過ぎです。
見ても忘れている映画もいっぱいありますし、、、。
ニューシネ、見てみようと思います♪
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