映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

月下の恋(1995年)

2016-03-14 | 【け】



 大学で心理学を教えるデイヴィッド(エイダン・クイン)は、幼い頃に双子の妹ジュリエットを自らの過ちによる事故で溺死させており、そのことがトラウマとなって心理学を専攻したという過去があるのだが、霊だの超常現象だのを一切信じていない人間だった。

 そんなデイヴィッドの下に、エドブルック邸の老女ミス・ウェッブから幽霊にまつわる相談の手紙が度々届いていた。スルーしていたが、エドブルックという地名にふと目が留まる。自分の故郷に近いその場所での出来事に興味をひかれたデイヴィッドは、ミス・ウェッブを訪ねることにする。

 エドブルック駅に着いたデイヴィッドを迎えに来ていたのは、邸に住む若き令嬢クリスティーナ(ケイト・ベッキンセイル)。彼女の運転する車で邸に案内されたデイヴィッドは、その屋敷の素晴らしさや、クリスティーナの兄たちロバートとサイモンの歓待、何よりクリスティーナの美しさに魅了される。ミス・ウェッブの怯えた様子を除いては……。

 が、屋敷に滞在するようになったデイヴィッドの身の回りに不可思議な出来事が次々と起こるようになる。超常現象を信じないデイヴィッドは、謎を解明しようとするが、そんなある日、屋敷の庭を歩くジュリエットの姿をハッキリと目撃し驚愕する。だんだんデイヴィッドは何が起きているのか分からなくなってくるが、クリスティーナにもどんどん惹かれて行き……。

 原題は『Haunted』。原題の方が、まあ内容的には合っているかも。邦題も風情はあるけれど、うーん、、、。

  
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 またしても記憶にないDVDが送られてきましたよ。というか、間違いなく自分がリストに入れたからなんですが、どうして入れたのかまったく思い出せない、、、。当然、予備知識なく見ました。

 以下、ネタバレバレです。

 一応、ジャンルとしてはホラーものらしいのですが、そういう意味では怖くはないです、ゼンゼン。途中で、何となく展開が読めますし。ネット上では『シックス・センス』と同じだとかあちこちで書かれていますが、本作の方が制作は早いわけで。まあ、あちらの方がメジャーなんで仕方ないですけれど。当時としては結構オドロキのあるお話だったのではないでしょうか。今見ても、ダサさは感じません。

 とはいえ、あんまし内容的に感想を書きたくなることはなく、、、。正直、私、こういう“お化けオチ”ってあんまし好きじゃないんですよねぇ。夢オチに近い虚しさを感じるというか、、、。本作は、デイヴィッドが心理学者ということもあって、きちんと、ロジカルに謎が解明されることを期待して見ていたんですけれども、途中、、、3きょうだいがパーティーに行く辺りから、「もしやこれは、、、」と嫌な予感がしていたら当たってしまいました。ごーん、、、。

 というわけで、本筋とは関係ないことで思うところをいくつか。

 まず、デイヴィッド役のエイダン・クインですが、その吸い込まれそうな青い瞳と、端正な顔立ちは、なんだか昔の少女マンガに出てきそうな感じでした。つーか、たまたま先日、今オンエアしているEテレの「漫勉」という番組で、萩尾望都さんの回を見て、彼女の描いていたマルゴの夫・アンリ4世(?)の顔に似ているな~、なんて思っちゃったんです。「王妃マルゴ」は読んでいませんが、、、。それはともかく、まあ、学者と言われても違和感のない知的な雰囲気も湛えており、主役として素晴らしい引力だったと思います。

 そして、ヒロインのケイト・ベッキンセイルですが、、、。彼女、今の彼女の顔と、イメージが大分違うと思っちゃうのは私だけ?? 何と言っても違うのは“口元”。駅にデイヴィッドを迎えに来た彼女を見て、口元が残念な人だなぁ、と思ったら、ケイト・ベッキンセイルだった! という、、、。顔の全体のイメージが違うんですよねぇ。別に整形だなんだと騒ぐ気もないし、整形なんてしたって別に構わないと思うけれども、ここまでイメージが違うとビックリします。本作での彼女も、確かに美しいですが、やはりなんというか、口元に目が行っちゃうんだよなぁ、、、。

 そして、何より一番イロイロ考えちゃったのは、ケイト・ベッキンセイルのヌードがボディ・ダブルだということです。デイヴィッドとクリスティーナのベッドシーンなんて、2人とも替え玉なんです。スローモーションで確認しちゃいましたよ。お2人さん、全然別人やん。おまけに、ケイト・ベッキンセイルのバストトップには前貼り(?)が、、、。すんごい興醒めなんですけど。もうちょっと上手く撮れなかったのかしらん。つーか、そこまで脱ぐのが嫌なら、別にキスシーンだけで、あとはそれを匂わせる演出にすれば良かったんじゃないの?

 アクションのスタントマンは、その意味が分かるんですけれども、裸の替え玉は意味が分からないのです、私。裸なんて、別に誰だってなれるのだし、特別な技術が必要な訳ではない。スッポンポンになるのも俳優の仕事な訳で。俳優になるってことは、そーゆーことなんじゃないのかしらん。

 裸のシーンで替え玉を使う、ってことは、つまり「脱ぐ=格落ち」とその俳優が認識していることを公言しているのと同じだと思うわけです。もちろん、仕事を選ぶ権利は万人にあるのだから、脱ぐか脱がないかを選ぶ権利もある、という理屈も考えられます。しかし、一つの役を演じる際に、その役には脱ぐシーンがあって、でも脱ぐのは嫌だけどその役は演じたい、ってのは、どーなんだろうか、、、と。それって、例えば、「資料のコピー取りは嫌だけど、編集の仕事はやりたい」とか言っている人とどう違うんでしょうか。コピー取りも編集の仕事のうちなんですけど? だってもの凄くメンドクサイから、それは誰かやってよ、って言っているのとは違うのでしょうか。

 裸を晒すのと、コピー取りを同じ次元で語るな、と言われるかもしれないけれど、どう違うのかがどんだけ考えても分からないのですよねぇ。編集の仕事をしたいってことは、それにまつわる面倒なこと、キツいこと、屈辱的なこと、全部ひっくるめて引き受けなければならないはずです。それが嫌なら辞めれば? って言われますよね。なのに、俳優の裸の替え玉は許される。なんなの、これ。

 本人が脱ぎたくないのか、回りが脱がせないのか、それは分かりません。どっちにしても、俳優の仕事を舐めているように思えて仕方がないのです。そんなに脱ぐのがNGなら、脱がない役だけやってろ、ということです。ある意味、観客を裏切っているということでもあると思うのですが。もの書きの世界でいえば、ゴーストライターみたいな。

 本作の本質とは全然関係のないことを、長々と書いてしまいました。

 ベッドシーンの撮影には文句を付けましたが、本作の映像は、全般にとても美しいです。もちろん、美術や衣装も素敵ということもあるのですが、どのシーンもとても画面が美しい。よく見たら、撮影はあの『眺めのいい部屋』のトニー・ピアース=ロバーツとのこと。なるほどなー、と納得。屋外の光とか、豪華な部屋の絶妙な明るさとか、技術的なことはゼンゼン分からないけど、とても美しかったです。まあ、ホラー映画にしてはちょっと明るいかな、という気はしますけれど。でも、素晴らしい映像です。





終盤、亡き幼い妹ジュリエットとデイヴィッドのシーンがウルッときました




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2 コメント

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毛糸別金販売 (松たけ子)
2016-03-15 21:16:26
こんばんは!
私もお化けオチものって、????です。
エイダン・クイン、最近お見かけしないような。結構好きだったんだけどな~。王妃マルゴ、映画版のアンリはダニエル・オートゥイユでしたが、超濃ゆかった。
ケイト・ベッキンセイル…何もかもが中途半端な女優って感じがします。たいした仕事してないのに一流女優ぶってるところとか、私は女優なんかで終わる女じゃない、ほんとは女優なんかしたくないんだけど~みたいなナニサマ発言にも、カチンときたことが。全身全霊で演技に取り組む、必要とあらば、いや、必要じゃなくてもジャンジャカ脱ぐケイト・ウィンスレットのような大女優に比べると、いてもいなくてもいいようなつまんない小物女優だと思います。似たような系統の女優、でもいっぱいいますよね~…女優、演技よりも有名人、セレブとして注目されたい女たち…
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別金様 (松たけ子さま(すねこすり))
2016-03-16 15:59:57
たけ子さん、コメありがとうございます。ナイスな漢字変換、ウケました~~ さすが、たけ子様!
そーですか、別金様は、そんなことおっしゃってたんですか。なるほど、そりゃ替え玉な訳ですね。別金様のハダカが見たいわけじゃないけど、貼るのはナシよ、貼るのは、、、と思っちゃいました。
私が監督だったら、そういう女優さんは使わないな~。一緒に仕事していて盛り下がります。

『王妃マルゴ』不覚にも未見なのです!! というか、昔、ビデオに録画したのに、別の映画を上書きしちゃってショックのあまりそれ以来見ていないという、、、。今度見てみます。アジャ様の神々しい美しさで、口直しならぬ“目直し”しますわ。
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