映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ほんとうのピノッキオ(2019年)

2021-12-05 | 【ほ】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv74354/


 
 以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 木工職人のジェペット爺さんは貧しい生活を送っていた。

 そんなある日、彼が丸太で作った人形が命を持ったかのように話し始める。彼はその人形に「ピノッキオ」と名前をつけるが、やんちゃなピノッキオはジェペットのもとを飛び出していってしまう。

 「人間の子どもになりたい」という願いを叶えたいピノッキオは、心優しい妖精やおしゃべりなコオロギの忠告に耳を貸さず、誘われるまま森の奥深くへ進んでいく。

=====ここまで。
 

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 原題は“PINOCCHIO”のところを、邦題でわざわざ「ほんとうの」と入れたくなる配給会社の気持ちは、おそらく、“ディズニーのあんなんはピノキオやない!”ってところですかね。まあ、ディズニーのピノキオは、私は知りませんが(見ていないので)、子どもの頃に絵本で読んだイメージからして、あの“When you wish upon a star”の雰囲気とはだいぶ違うんじゃないのか、、、という違和感はあったので、「ほんとうの」と入れたくなったのも分かる気がする。

 ……という個人的な感覚があり、また監督がガローネなので、さぞやダークファンタジーの世界が繰り広げられるに違いないと期待して、わざわざ劇場まで行った次第。


◆人間になったピノッキオは幸せになるのか?

 結論から言うと、思ったほどダークじゃなかったけれど、十分楽しめました。

 ピノッキオは子役の男の子(フェデリコ・エラピ)に特殊メイクを施している(詳細は公式HPをご覧ください)。最初は異様な見た目だと思ったが、見ているうちに慣れてきて、そこそこ可愛さも感じるように、、、。CGももちろん使っているが、基本、フェデリコ君という人間の子どもがピノッキオを演じているので、動きは人間そのもの。ただ効果音としてカクカク木のぶつかるような音が入っていて、それが意外に違和感がないというか、見ていて「ああ、この子は木の人形なんだな」なんて脳内補正してしまう効果がある。まさに効果音。

 ピノッキオは悪いことを悪いことと認識してやっているという感じではなく、好奇心の赴くまま、楽な方に流された結果、悪事を働いたことになる。嘘はつくし、誘惑には弱いし、何度言われても同じ間違いを犯す。“悪童”なんて言われてもいるが、子どもなんて大なり小なりそういう要素を持っているもんだろう。原作でのピノッキオはどれくらい悪童なんだろう??

 原作は未読だけど、絵本のほかにも少年少女文学全集かなんかでダイジェスト版を読んだ記憶があるが、子ども心に「木でできた人形がしゃべって動き回るなんて怖い」と思ったし、何よりラストで人間になって、それがハッピーエンディングというのがものすごーく違和感があった。人間になることがなぜ良いことなんだ??と。

 絵本ならではの教訓臭さがあったのかもだけど、本作の良さはそういう臭いは全くなくて、ピノッキオのまさに“冒険”を描いているところ。子どもだって純真無垢なわけじゃなく、狡猾さも当然あるし、心優しいところもある。騙されたり、殺されそうになったり、ものすごい不条理な目にも遭ったりもして、ピノッキオなりに色々考えるようになる、、、けれどもやっぱりまた間違えちゃう。

 冒険を続けていくうちに、ピノッキオの顔に傷が増えていくのも妙にリアル。特殊メイクの技術の凄さに感嘆してしまった。

 本作を見ても、私が子ども心に抱いた違和感が解消されることはなかったが、人間になったピノッキオがジェペット爺さんと抱き合って喜んでいるシーンを見れば、まあ良かったな、とは思いました。でも、あんなに貧しい、しかも高齢な爺さんの家で、果たして少年ピノッキオの行く末はどうなるのだろう、、、と心配もしちゃいますね。教科書を買うお金もない爺さんなんですから。……まあ、私が心配することもないんだが。


◆その他もろもろ

 『五日物語 ―3つの王国と3人の女―』(2015)といい、本作といい、ガローネの世界観はやはり好きだわぁ。基本的にとても美しく、少しダークさもあり、ファンタジーなんだけどリアルさもあるという、、、。彼の出世作『ゴモラ』(2008)は未見なんだが、『ドッグマン』(2018)も良かったけど、童話(といってよいのか、、、)原作を映像にするセンスが素晴らしい。

 ピノッキオが助けられる妖精の館とか、ホラーチックな感じで良いわ~。あの“かたつむり”はちょっと気持ち悪かったけど。

 本作を見て初めて知ったんだけど、妖精って、成長するのね? 原作でもそうらしい。最初にピノッキオを助けてくれたときは少女だったんだが、後半に再び助けられたときは大人の女性になっていた。それだけ、実は長い年月が過ぎていたということなのか? よく分からないけど、原作をちゃんと読んでみたくなった。

 ロベルト・ベニーニは、自身がピノッキオを演じた映画(『ピノッキオ』(2002))があるけど(未見)、本作ではジェペット爺さんを演じている。私はあんまし彼のこと好きじゃないんだが、序盤でジェペット爺さんがいかに貧しいかを描くシーンがあって、これがまた、ものすごくイラ~ッとさせられるシーンで、別にロベルト・ベニーニのせいでも何でもないけど、やっぱり彼のこと苦手だわ~、と思ってしまった。

 ピノッキオの映画化はこれまでもいくつかあって、ベニーニの02年の映画は、ピノッキオが老けすぎで評判がイマイチみたい。96年版のスティーヴ・バロン監督作は、劇場までわざわざ見に行ったんだけど、まるで覚えていない、、、ごーん。ビジョルドが出ていたから見に行ったんだと思うが、ここまでまるで覚えていないというのもちょっと哀しいなぁ。みんシネではえらく評判が悪いけど、画像とか見ると結構面白そうなんだよな。どんなだったか見たいと思っても、そもそもDVD化されていないみたいだしなぁ。パンフを買った形跡もないし。

 でも、スティーヴ・バロン作品を検索していたら、『アラビアン・ナイト』なんていう珍品を発見! 出演者も何気に個性派ぞろい!! 見てみよう♪
 
 
 

 

 

 


星に願いを、、、って感じじゃないよね、やっぱり。

 

 

 

 

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