作品情報⇒https://movie.walkerplus.com/mv71203/
以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
ブラジル南部にあるポルトアレグレの街。46年前に隣国ウルグアイからやって来た78歳のエルネスト(ホルヘ・ボラーニ)は、頑固で融通がきかず、本とうんちくが好きな独り暮らしの老人。
ところが、老境を迎えた今は、視力をほとんど失っていた。後はこのまま人生が終わるだけ……。
そう思っていた彼の元にある日、一通の手紙が届く。差出人はウルグアイ時代の友人の妻。視力の低下により、手紙を読むことができないエルネストは、偶然知り合った若い女性ビア(ガブリエラ・ポエステル)に代読を依頼する。その代読と返事の代筆を通して、エルネストの部屋にビアが出入りするようになるが……。
=====ここまで。
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予告編を何度か見て、まあまあ面白そうかもとは思ったけれど、何となく展開は想像つくし、劇場に見に行くまでもないな、という感じだった。けれど、平日の午前中にぽっかり時間ができてしまい、上映時間がちょうどぴったんこだったので、それならばと見ることに。
まぁ、想像の範囲を大きく超える展開ではなかったけれど、思っていたよりは味わいのある逸品だった。良い映画だとは思うのだが、何かこう、、、見てから1週間以上経つんだけど、特に感想として書きたいことが浮かんでこない。
ただ、ちょっと思うところもいくつかあったので、書き留めておこうと思う。
本作の紹介で、エルネストのことを、頑固爺みたいに書いているものがあったけど、息子に「そんな身体で一人じゃムリだ」と言われて「はいはい、仰せの通りにいたします」とすんなり言う親がいるだろうか? いるかも知らんが、少数派だろう。老いて身体が思い通り動かせなくなり「一人じゃムリかも」とは薄々自覚していても、住み慣れた家を離れたくないだとか、子の世話になんぞなりたくないだとか、そりゃあ親にだって色々思うことがあるのは当たり前だろう。それで頑固爺ってのは、ちょっと違う気がするゾ。
むしろ、このエルネスト爺さんは、思考は柔軟で、若者の無謀さを安易にたしなめることなく容認できる人だ。ビアが嘘をついても、金をくすねても、顔にアザを作ってきても、男を連れ込んでも、頭ごなしに叱ったり責めたりしない。もちろん、ビアが訳ありだと勘づいていたからだろうが、それにしたって、嘘をつかれたら追及するし、金を盗られたら普通は糾弾するよなぁ。ビアが宿無しだと分かると、息子の部屋に泊めてあげ、「いつでもおいで」と言って送り出す。こんな親切な爺さん友達、いたら有り難いかも。でも、現実には、こんな下心のない親切な爺さんはいない(断言)。
ビアも、最初こそエルネストを利用しようとしていたが、彼の見返りを求めない親切に心を動かされたのだろう。やはり、見返りを期待する好意なんてのは、相手に見透かされる。所詮知れているってことだ。
エルネストは、ビアに手紙を代読してもらうだけでなく、返事を代筆もしてもらう。友人の妻宛だけでなく、ラストは、息子に対する手紙をビアに代筆してもらう。その、息子への手紙の内容が、結構泣ける。こんな手紙を親からもらったら、嬉しいというより、ちょっと辛いだろうなぁ。こんな手紙を親からもらう息子は幸せだ。
最終的にエルネストがどういう選択をしたか、、、は、ここには書かないけれど、微笑ましい結末になっている。今やコロナで大変なブラジルの映画だが、エルネストの暮らすアパートもなかなか素敵だし、アパートのある地区も趣があって美しい。wikiによれば、「ヨーロッパからの移民が多く、ヨーロッパ風の建物が多い」とのことで、納得。
心温まるほんわか系とはちょっと違う、苦みのある、暖かい映画。見た後の感覚と、感想で書くことが具体的に浮かばない、というギャップが、自分でもちょっと珍しいと感じる。何故かは分からないけど、、、。
エルネストの書斎が素敵。
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