平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
旧豊岡県庁の正門
昨日に続いて故郷の話である。
明治維新時の廃藩置県により、数年間、故郷豊岡は豊岡県の県庁所在地だった。これはあまり知られていない。故郷の家から数分の所に、その唯一の遺構である旧豊岡県庁の正門(豊岡市指定文化財)が残っている。武家屋敷にあるような立派な門である。
夏に帰郷した折りにあたりを歩いてみた。そのときに見た案内板によると、横幅8.4メートル、屋根部分横幅13.2メートル、高さ7.6メートル、総ケヤキ造りの脇戸付薬医門であるという。ついでに「薬医門」を広辞苑でみると、「本柱の後方に控柱二本を建て、切妻屋根をかけた門。大規模なものは正面を三間(本柱四本)とし、控柱も四本とする」とあった。この門は薬医門の中でも大規模なものに属するようであった。
もともと明治3年、隣町の久美浜県(現京都府熊野郡久美浜町)の県庁の門として建築されたもので、明治4年、久美浜県が豊岡県に合併された際に、庁舎とともに現在の場所に移築された。
豊岡県は明治9年に分割されて、兵庫県と京都府に吸収されなくなった。庁舎はその後、城崎郡役所として利用されたが、大正12年の改築を機に再び久美浜町に移築され、今は神谷神社社務所(京都府指定文化財)となっている。そしてこの門だけがこの地に残ることになった。
子供の頃、そばの神武山に遊びに行くときには、この門の脇を抜けて登ったから、馴染み深い門であった。門の中には市の図書館があった。おそらく大正12年築の建物がそのまま使われていたのであろう、古い建物で子供たちが出入り出来るような図書館では無かった。それでも二、三度入ったような気がする。
現在はその場所に新しい明るい図書館が建ち、この門も改修されてきれいになっていた。新しい図書館にこの門がけっこう似合っている。自分の“故郷に住む計画”ではこの図書館に頻繁に出入りして、故郷のことを調べることになる予定である。
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