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「竹下村誌稿」を読む 299 教育 2

(散歩道のアキノベニバナサルビア)

午前中、渋柿をまた買いに行く。最初の物は完成して冷蔵庫に入れた。今日は全部で22個購入、21個を干柿に加工した。

午後、芋ツルのレシピ、三作目、「芋つるの塩昆布いため」に挑戦する。ちょうど、賞味期限切れの塩昆布が冷蔵庫にあったので、それを利用した。おかずとしては、これが一番好評であった。

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「竹下村誌稿」の解読を続ける。

      第二節 明治維新前に於ける寺子屋教育

大凡(おおよそ)寺子屋教育は、主として僧侶、神官、浪人など、多少文字ある郷党父老によりて教授せらる。師匠は重(お)もに習字を教ゆるが故に、手習い師匠と云い、学童を筆子とも云えり。因って児童の学に就くを寺入りと云う。この寺子屋は寺院などの広き家にて、長机を排(配)列し男女席を別にして稽古をなせり。
※ 郷党(きょうとう)- その人のふるさと。また、ふるさとに住む人々。
※ 父老(ふろう)- 村の主立った老人。また、老人に対する尊称。老翁。老爺。


就学児童は七、八才より始め、十二、三才に至るを永きものとし、去就は任意なるを以って、女子に至りては就学するもの極めて少なし。授業は始終の時刻を定めず、ほとんど朝より夕に及び、要事あるの外、席を離るゝを許さざる規定なり。毎月二十五日は天神祭とて稽古を休み、その他、歳首、年末、五節句などは休業せり。
※ 去就(きょしゅう)- 去ることと留とどまること。
※ 要事(ようじ)- 重要な事柄。また、必要な事柄。
※ 歳首(さいしゅ)- 年の始め。年首。年頭。


教授の方法は人別教授にして、読書よりも習字を重んじ、主として百姓町人の日用生活に必須なる読み書きにして、卑近なる教育を施し、手本は師匠の肉筆のものを与え、平かな、片かな、十干十二支より、名頭、国尽、百官名、往来物(商売往来、百姓往来)などの類いを用い、毎月一、六などの日を定め、清書を行ない、師匠は朱書して、拙字、誤字を正し、併せて筆意を教え、読み方は板本にして、古状揃実語教千字文庭訓往来孝経など、女子には百人一首、女大学なども授けたれども、ただ素読のみに留まり、解釈に亘(わた)らず、所謂、「読書百遍、義自ずから通ずる」ものとし、児童は暗記的に、これらの書物を通読せり。
※ 名頭(ながしら)- 源・平・藤・橘など、姓氏の頭の字を列記したもの。江戸時代に寺子屋などで書き方を教えるのに用いた。
※ 筆意(ひつい)- 筆を運ぶときの気構え。ふでづかい。
※ 板本(はんぽん)- 彫った版木で印刷した本。整版本。木版本。
※ 古状揃(こじょうぞろえ)- 手紙文例集。
※ 実語教(じつごきょう)-平安時代末期から明治初期にかけて普及していた庶民のための教訓を中心とした初等教科書である。
※ 千字文(せんじもん)- 子供に漢字を教えたり、書の手本として使うために用いられた漢文の長詩である。1000の異なった文字が使われている。
※ 庭訓往来(ていきんおうらい)- 1年各月の消息文を集めた初学者用の書簡文範。擬漢文体で書かれ、武士・庶民の生活上必要な用語を網羅する。江戸時代には寺子屋の教科書として広く用いられた。
※ 孝経(こうきょう)-儒教経典の一つ。孔子が曾子に孝道を説き聞かせる形をとり、天子・諸侯・大夫・士・庶人の孝を説いて、孝を徳の根本とする。
※ 女大学(おんなだいがく)- 江戸中期以降広く普及した女子用の教訓書。女子の修身・斉家の心得を仮名文で記したもの。
※ 素読(そどく)- 書物、特に漢文で、内容の理解は二の次にして、文字だけを声に出して読むこと。
※ 読書百遍、義自ずから通ずる - 文意の通じないところのある書物も、百遍も繰り返して熟読すれば自然に明らかになる。乱読を戒め、熟読が肝心であると説いた言葉。
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