再開 私の色（８５）

　介護の仕事について、関心をもったのは約２年前だ。デイサービス、有料老人ホーム、そのほかの施設などで、責任者に話を聴いたことがある。現在もそうだが、そういう場で、働いている人は、仕事の割りには賃金が安く、将来に夢がもてず、辞めていく不満が多い。２０、３０代の人は、「生活がかつかつで、とても結婚や、将来を設計できる状況ではない」と、厳しい労働条件と待遇の貧しさを指摘した。

　経営も深刻で、「行政だけが悪いとはいいたくないが、日本の介護制度の成熟度が問われている」という辛らつな言葉を聞いたことがある。

　介護を含めた、日本の福祉の貧困さはひどい。「法律をつくる人が、現場の状況がわからず、最悪」とある女性理事長の言葉は印象に残った。

　高齢社会でますます介護の需要は高まるばかり。すべてを家族で世話をすることは限界がある。施設を含め、人材などの充実が求められるが、現実は悪循環に陥っているのではないか。
　うーむ。