3夜連続放送で復活した『ブラタモリ』。テーマは東海道五十七次を巡る街道旅で、京都の三条大橋をスタートして、滋賀の追分から伏見、淀、枚方、守口を経て最後は大阪の高麗橋まで宿場町を訪れていました。テーマとしては面白い切り口というか、五十三次は有名ですが、実は京街道も交通の往来が盛んだったところだけに、見どころはいろいろあるだろうなと思って見ていました。ただタモリがブラブラするには距離があるので駆け足になるかもと危惧していた通り、掘り下げ方が少々浅かったなというのが正直な感想です。
もし取り上げるなら伏見だけか、せいぜい淀までで十分だったと思います。実際今夜の3回目では枚方から高麗橋までざっと紹介したに過ぎない感じがしました。「ひらパー」の話も蛇足というか、タモリが知らないならそのくだりは全部カットしても良かったのではないかと思います。京都競馬場の淀の坂の話題などは良い入りだったと思いましたが、ちょっと競馬場の紹介が間延びしていた感はありました。ひらパー同様、タモリが競馬にもあまり興味がないので尺を取った割には話が弾みませんでした。
この番組はとにかくタモリが面白がらないと楽しくならないので、もっとタモリ好みの話題を入れ込んだ方が良いと思うのですが、そういうネタが仕込めなかったのでしょうか。伏見の船宿とか淀川の水運など、タモリが喜びそうな話はあった気がしますが、今回は街道と家康に焦点を当てたために大石内蔵助も坂本龍馬の話も出てきませんでした。どうせやるなら瀬戸内海から淀川、琵琶湖への水運だけで展開したらタモリがもっと喜びそうな気がします。
さて、ネットでも批判が多かった小沢健二のテーマ曲とあいみょんのナレーション。見ていて違和感しかありません。ドラえもんの声優が丸ごと交代した時くらいの違和感です。なぜ敢えて変えたのか、さっぱり理由がわかりません。新しいファンを開拓したかったのかも知れませんが、固定ファンが圧倒的なボリュームを占めるであろうこの番組では悪手でしかありません。小沢健二はそもそもオワコンですから起用した意味がわからないし、あいみょんの関西訛りのナレーションも耳についてイヤでした。次があるなら絶対に井上陽水と草彅剛に戻して欲しいです。