阪神とのマッチレースになっていたセ・リーグの優勝争いをヤクルトが制しました。最下位からの優勝。その要因は投手陣の立て直しにあったことは間違いありません。特に崩壊していた救援陣を整備したことと、登板数を抑え体調維持に細心の注意を払った投手起用法が功を奏したようです。投手出身の高津監督の力量が発揮されたと言っていいでしょう。
ただやはり優勝を支えたのはリーグ3位の防御率の投手陣ではなく、12球団一の得点力を誇る打線にあることは間違いありません。最下位に沈んでいても打力だけは上位と遜色ありませんでしたが、その打力をずっと維持し続けていることがヤクルトの強さです。特に30本塁打100打点をともにマークした3番山田4番村上がシーズンを通して打ち続けたことで、打線の軸がブレなかったということが大きな勝因だと思います。
ヤクルトと対照的なチームが中日です。リーグ随一の投手陣を誇りながら、貧打で勝利を呼び込めません。投手陣を整備したヤクルトが最下位から一気に優勝までたどり着いたのですから、中日だってせめてリーグで真ん中くらいの打線に持ち上げることができたら優勝を狙えるはずです。
中日に足りないのは山田村上です。長打力もありチャンスに強い主軸打者です。足の速い大島や京田という1、2番タイプもいるし、ビシエドや高橋のような5、6番タイプもいます。一発のある捕手木下もいます。ただ脇役ばかりがいて主役になれる強打者がいません。3番大島4番ビシエドではあまりにも軸が細いです。
来季は立浪が監督になります。与田が整備した投手陣をそのまま維持しつつ、軸になれる中心打者を補強もしくは育成できるかが中日浮上の絶対条件です。