厚労省の職員23人が送別会で深夜まで会食をしていたことが判明して処分を受けました。よりによって厚労省。まさに開いた口が塞がらないとはこのことですが、役所というところはタテ社会ですから、上が「やる」と言えば下はおかしいと思っても逆らえなかったのではないかと推察されます。つまり23人全員がイケイケで深夜まで飲んでいたわけではなく、きっと「これはまずいんじゃないか」と危惧していた人もいるはずで、それを言い出せない組織の仕組みに問題があると思います。
役所に限らずサラリーマン社会では「上の言うことには逆らえない」というところが多く、中には「軍隊かよ」と思うような絶対服従的な話を聞くこともあります。そしてこれまでの日本の会社では上に従順で口ごたえをしない人間を上が引き上げて出世させていくというシステムですから、次に上に立った人間も同じことを繰り返します。体罰を受けて育った子どもが親になって子どもに体罰をするというのと同じ悪循環です。
しかし、それでは今回の厚労省の宴会と同じようなことが繰り返されます。上が間違っている時にそれを指摘する下の人間もいないし、仮に指摘しても上が聞く耳を持たずに、正しい意見をした下の人間を冷遇するというのでは、組織は間違いの連鎖を繰り返してしまいます。挙句に最後は旧日本軍のように全滅です。いま業績が悪化している一流企業の多くに似たような疾病をかかえているところがあるのではないかと思います。
かと言って、下が必ずしも正しいことを言うわけでもないですし、上の判断に逆らってばかりいるようでは組織が維持できないというのもまた真理です。要はできる限り有能で、かつ下の意見も率直に受け入れられる公平で懐の深い人間を上に据えることですが、そういう優秀な人に限って周りの嫉妬を受けて不当な評価をされていて、結局上へのアピール上手が出世したりしますから難しいです。