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柿上猿麻呂の「花、菜園、旅」の週刊フォトニュース

自宅や菜園で栽培している花や、植物園などで撮影した花の写真を週単位で紹介

第932号 昭和生まれの老翁の面白話。第72話 「私ってどんな顔」今週の一花 イヌノフグリ

2025年03月27日 19時41分20秒 | お知らせ

72話 「私ってどんな顔」 

仕事を一緒にした女性の話。女性はフリーのライターをしていた。やや色黒だったが決して不美人ではなかったし、快活で気持ちの優しい娘でした。彼女が言った。「先日、タクシーに乗ったの。そうしたらタクシーの運転手が「君、日本語がうまいね」と言われたの。どうも東南アジア出身の出稼ぎ娘と思われたらしいの」。それから最近知り合った友達から「あなたどこに住んでいるの」と聞かれたので「下北と答えたの。そうしたら友達が「冬は寒いでしょう。雪は何メートルくらい降るの」と聞かれたそうです。彼女は「自分は世田谷区の下北沢のつもりで言ったのに青森県下北に間違われたの。私ってどんな顔をしているのかしら」と自嘲気味に笑っていました。世田谷区下北沢はシモキタと言う愛称で呼ばれる。

今週の一花 イヌノフグリ 

 イヌノフグリ 今はほとんど見かられない貴重種。

 

 


第931号 昭和生まれの老翁の面白話。第71話「憧れの田舎暮らし」今週の一花 フクジュソウ ‘秩父紅’

2025年03月14日 09時33分01秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第71話 「憧れの田舎暮らし」

奥山さん(仮名)はフリーライターで自然関係の原稿を雑誌や、単行本に書いていました。それだけでは食べて行けないので園芸関係の編集の仕事もしていました。田舎暮らしに憧れ、秩父の寒村に古い農家と畑を借り、年金暮らしの母と暮らしていました。憧れの田舎生活はファッションからと、頭は手ぬぐいを姉さんかぶりにし、紺かすりの上着にたすき掛けをし、モンペを履き、赤い帯と手甲脚絆で草履を履き、大きな竹籠を背負って田の畔を歩いていました。今時、このような姿は観光茶摘みでしか見られません。すっかりその姿は目立ち、田舎で浮いてしまい、周辺ではすぐに有名になりました。(今はクマが怖いので真っ赤な衣服にしているそうです。)

彼女は運転免許を持っておらず、自転車は子供の頃に事故にあい、以来、怖くて乗れず、スーパ、銀行、出版社の打ち合わせで都心に行く時も、遠い秩父鉄道の駅まで徒歩で行くということです。田舎道は遠いのですが「いとわない」と言っていました。道を歩いていると、事情を知る、通りすがりの車は気の毒がって、目的地まで乗せてくれることもしばしばあるということです。

ところが彼女の出身は静岡県ですが、北部の山梨県との境の山村出身です。子供のころから木登りが上手で、柿の実採りは得意で、あだ名は「山猿」と言われていたそうです。田舎暮らしをイヤと言うほどしたのですが、それでも憧れは田舎暮らしでした。よほど自然が好きなんでしょう。失礼だがこのような田舎から女子に大学まで行かせる両親は相当、教育に理解があったと思います。

今週の一花 フクジュソウ ‘秩父紅’

 フクジュソウ ‘秩父紅’

 


第930号 昭和生まれの老翁の面白話。第70話「フランス人似」今週の一花「ウメ‘鹿児島紅’」

2025年03月07日 09時00分39秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第70話「フランス人似」

一緒に仕事をした女性が「私、よくフランス人と間違われるの」と言った。小生は口には出さなかったが、心の中で 「ドコガー、ホンマかいな」と思ったが、確かに彼女の容姿はやや西洋風の雰囲気のあり、それなりの美人だったがフランス人には見えなかった。小生もたくさんのフランス人を見たわけでもないが、考えてみるとフランス人の女性が全てフランス人形のようにかわいいとは限らない。別の一緒に仕事をした女性はフランス人と結婚して子供が一人いた。その後、離婚して母子は日本に帰って来た。その子供はダルビッシュ有に似た闊達な子で肌色がやや黒かった。夫はフランス領ポリネシア出身であった。でも夫もフランス国籍であったのでフランス人だった。フランスはオセアニア、インド洋、太平洋などに海外県、海外領土があり、国土の17、5%、人口の4%を占めるそうです。

今週の一花 ウメ‘鹿児島紅’

 ウメ ‘鹿児島紅’


第929号 昭和生まれの老翁の面白話。第69話「殺人罪にならない人殺し」今週の一花「セツブンソウ」

2025年02月28日 08時39分36秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話 第69話「殺人罪にならない人殺し」

親友は園芸関係のフリーのゴーストライターのようなことをやっていました。彼の文章は読みやすく、的確で代筆を頼む演芸家や発注者の出版社に人気がありました。なぜ、ゴーストライターをやっているかと言うと、園芸関係のハウツーものを出版するときに園芸の専門の先生に頼みますが先生が忙しかったり、文章が書けない人が多いのです。専門部門と言えども文章にすることは難しいことです。そこで彼のようなライターが専門家から直に聞いたり、テープに録音したもの聞いたり、専門図書を参考に文章をまとめます。彼の文章は間違いが少ないので多くの出版社から原稿の依頼が来ます。彼は来た仕事は断りません。フリーの身分では一度断ると次の仕事が来なくなるのが怖いからです。彼は大変多忙でした。原稿が締め切りに間に合わないようになることが多々あります。彼は囲碁が趣味なのです。囲碁は「親の死に目にも会えない」と言います。囲碁を始めると、夢中になり、ますます時間が足りなくなります。優柔不断の所があります。そこで殺人が起こります。出版社に「叔母が亡くなったので遠く田舎の葬式に出なければならないので、原稿が遅れる」と言い訳をして、締め切りを延ばしてもらいます。なにも知らない叔母は元気溌剌でいるそうですが3回ぐらい殺されているそうです。中には丁寧に香典を送ってくれる出版社もあったそうです。

今週の一花 「セツブンソウ」

 セツブンソウ


第928号 昭和生まれの老翁の面白話。第68話「オーディオマニア②」今週の一花「ウメ‘甲州小梅’

2025年02月20日 18時41分31秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第68話「オーディオマニア②」

彼が言うのには「このセットは超高音域から超重低音域までの再生能力はすごいんだ。まるでコンサート会場にいるようだ」と自慢しました。小生が彼に「その超高音域から超重低温域まで君は聞き分けられるのか」と聞きました。彼は「聞き分けられない」と答えました。「では、どうして、超高音域から超重低音域まで再生しているのがわかるんだ」と聞きました。彼は「モニターの針が左右に振れるので再生していることがわかる」とのことでした。小生「?」

今週の一花「ウメ ‘甲州小梅’

 ウメ ‘甲州小梅’


第927号 昭和生まれの老翁の面白話。第67話「オーディオマニア①」今週の一花「プリムラ マラコイデス」

2025年02月13日 13時47分20秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第67話「オーディオマニア①」 高校時代、あまり親密ではなかったが友人がいました。彼は宮大工の棟梁の息子で裕福でした。背が高く恰幅もよく、おおらかでいい男でした。友人の一人が「下駄の鼻緒が切れた」と言ったところ、彼はふっと姿を消しました。何処に行ったのかと待っていると彼は新しい下駄を買ってきて彼の友人に与えました。

彼はオーディオマニアでした。その当時では最高級の設備をそろえていました。彼が小生に自慢のオーディオセットを見せるというので彼の家に行きました。彼の部屋は10畳以上もある大部屋に小劇場のような舞台があり、分厚い緞帳が掛けられていました。緞帳の奥に立派なオーディオセットがありました。沢山のモニターの付いたアンプ、大小のスピーカーが並んでいました。彼はこの緞帳越しにクラッシクを聞くそうです。つづく

今週の一花 プリムラ マラコイデス

 プリムラ マラコイデス


第926号 昭和生まれの老翁の面白話。第66話「養心亭②」今週の一花「ビワ」

2025年02月06日 14時14分23秒 | お知らせ

昭和生まれの老翁の面白話。第66話 「養心亭②」

電報には「ハナチル ヨウシンテイ」とありました。これを読んだ姉がびっくり仰天しました。彼女は「花散る。世を惜しんで」と読んでしまったのです。そこで家じゅうが大騒ぎになってしまいました。携帯もない時代、彼は帰ってこない。宿や心当たりを探しましたが行方不明で全くわかりませんでした。4、5日後彼は十分に関東、東北を楽しんで、家の混乱を全く知らず、のほほんと帰宅しました。家族は彼の無事の帰宅を喜びましたが彼は連絡もなく東京、東北をうろついたことを家族にこっぴどく叱られたそうです。あまり通信手段がなかった時代だから仕方がないことだと思いますが。幸い、彼は京都工芸繊維大学に入学しました。

今週の一花 ビワ

 ビワ

 


第925号 昭和生まれの老翁の面白話。第65話「養心亭」今週の一花「ロウバイ ‘満月’」

2025年01月30日 15時15分16秒 | お知らせ

「昭和生まれの老翁の面白話。第65話 養心亭①」高校時代に物理大好きと言う友達がいました。毎日、物理の勉強ばかりをしていました。難問物理500問集と言う分厚い問題集を解いていました。彼は「出来なかった問題は2問あった」と言いました。小生は「すごいな。俺ができるのは2問くらいだ」と言いました。彼は東大を受験した。東京の宿は「ようしんてい」と言いました。漢字表記がわからないので仮に養心亭としておきます。受験後、この出来では合格は無理と覚悟したそうです。養心亭に試験の合否を電報で知らせてくれと頼みました。彼は関東にはもう来ることもあまりないだろう。せっかく東京に来たのだから、国立二次試験まで間があるのでこの機会に東京見学をしょうと思いましたが、東北地方まで足を延ばしてしまいました。彼が旅を楽しんでいる間に実家に養心亭から電報が届きました。電報はカタカナ表記です。これが大問題になりました。つづく

今週の一花 ロウバイ ‘満月’

 ロウバイ‘満月’

 


第924号 昭和生まれの老翁の面白話。第64話「空芝 ②」今週の一花「ナノハナ」

2025年01月23日 15時38分46秒 | お知らせ

「昭和生まれの老翁の面白話。第64話 空芝②」 宴もたけなわになり、空芝?が始まりました。個人用のカラオケはまだ売られていませんでした。カラオケはレコードに合わせて流行歌を歌うことですが空芝でした。空芝はレコードに合わせて芝居をすることです。尾崎紅葉の「金色夜叉」の舞台、寛一のセリフ「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせて見せる~」熱海の海岸で間寛一が許嫁の宮を足蹴りにする場面。国定忠治 「赤城の山も今夜限り~」と刀を抜いて子分との別れの場面、大利根無情の平手造酒(ひらてみき)「今じゃやくざの用心棒~」などが狭い茶の間で演じられるのです。夜店で売られていたセルロイド製のカツラや子供用の刀、編み笠、合羽などが用意されていました。子供のころで酒が飲めなかったけれどもこのドンチャン騒ぎほど楽しい宴会はありませんでした。叔母は工員達がどれだけ飲み食いしても「もう、やめなはれ」とは一切言いませんでした。叔父は工員から「タイショウ」と呼ばれていましたが酒を一合飲むと「おまえら、後は勝手にせい」と言ってさっさと寝床に行きました。翌日からは工員たちは叔父、叔母のために一生懸命に働きました。

今週の一花 ナノハナ

 ナノハナ


第923号 昭和生まれの老翁の面白話。第63話「空芝」今週の一花「ニホンスイセン」

2025年01月16日 15時46分45秒 | お知らせ

第63話 「空芝 ①」 まだカラオケがなかったころの話。小さな町工場を叔父と叔母が経営していました。そのころ、金の卵と言われた中学校卒業間もない工員が5、6名いました。多くは日給月給で働いた日数で月極めで支払われていました。土曜日がまだ休日では無い時でしたが、順次、土曜日を休日にするところが多くなりました。彼らは土休や祝日休を嫌いました。休日が多いと手取りが少なくなるからです。しかし、正月と盆は連休になりました。休みに里に帰る者もいましたが交通費がかさむので多くは帰りませんでした。正月と盆は叔父、叔母の大判振舞いで、夜は叔父、叔母の自宅の居間で飲めや歌えの大騒ぎになりました。工員の他、叔母の弟、妹の夫婦なども加わり、酒は飲み放題、料理は途切れることなく叔母が台所で大奮闘でした。中には知らない人も飲み食いをしていました。小生が叔母に「おばちゃん、あの人誰?」と聞いたところ、叔母は「わても知らんな。誰かの友達やろう」と全く気にかけない様子でした。 つづく

今週の一花 ニホンスイセン

 ニホンスイセン