来年度から中学校の教科書が改定されます。文部科学省の検定を通過した教科書の見本が各地で展示されています。東郷町にある愛知県教育センターでも教科書展が開かれているので、出かけてきました。
教科書展では感想を出すこともできます。教科書展で出された感想は、教科書を選定する各教育委員会等の会議で、参考にされると思います。
教科書展に行った理由は、歴史を歪めて伝えると問題になっている歴史教科書(扶桑社、自由社)も、来年度からの教科書の候補として展示されているから。実際に読んで確認したいと思いました。
読んでみて思ったのは、これら2社の教科書が、他の教科書とあまりにも内容がかけ離れているということ。
たとえば、ファシズムとスターリニズムを「2つの全体主義」として対比していることや、日本の戦争拡大の流れをファシズムの流れとして記述していないことなどです。また、人物に対する記述が詳しいのは興味を引きますが、それがあまりにも度が過ぎ、いわば「英雄中心」の記述になり、民衆からの視点が乏しいことも特異な点に挙げられると思います。
特定の思想を生徒に植え付けようという意図が感じられたので、上のような感想を書いた意見を提出しました。
こうした内容の教科書の採択を推進している右翼団体「あたらしい歴史教科書をつくる会」は、内紛の末、分裂し、影響力が低下していると考えられますが、なお注視が必要です。
今後は教育委員会での議論が行われます。(東郷町は他の市町と共同で選定)
こうした場での議論にも注目する必要があります。
なお、愛知県教育センターでの展示は3日(金)の午後4時までです。
名古屋市の鶴舞中央図書館などでは、5日まで展示されています。http://www.pref.aichi.jp/0000015653.html