書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

田村志津江 『李香蘭の恋人 キネマと戦争』

2007年12月10日 | 日本史
 上海に来る李香蘭を逮捕しようとして張り込んでいたがうまく逃げられたという話を、戦時中上海日本領事館警察に勤めていた人に聞いたことがあって、この本には何かその種の話はあるかと思ったが、別になかった。

(筑摩書房 2007年9月)

小林旭 『熱き心に』

2007年12月06日 | 伝記
 笹沢佐保『木枯し紋次郎』のあるエピソードで、紋次郎がとある宿で出会い、行き掛かり上淡い縁を結ぶことになる飯盛女に、「お前さんのことは思い出しもしねえが忘れもしやせんぜ」と言うシーンがあった。この小林旭の語り下ろし自伝を読んで、「思い出しもしなければ忘れもしないよ」という、これとほぼまったく同じ台詞が、『ギターを持った渡り鳥』にあることを知った。

(双葉社 2004年11月)