書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

小林旭 『熱き心に』

2007年12月06日 | 伝記
 笹沢佐保『木枯し紋次郎』のあるエピソードで、紋次郎がとある宿で出会い、行き掛かり上淡い縁を結ぶことになる飯盛女に、「お前さんのことは思い出しもしねえが忘れもしやせんぜ」と言うシーンがあった。この小林旭の語り下ろし自伝を読んで、「思い出しもしなければ忘れもしないよ」という、これとほぼまったく同じ台詞が、『ギターを持った渡り鳥』にあることを知った。

(双葉社 2004年11月)