書籍之海 漂流記

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黄興濤 「新語の政治文化史 康有為と日本の新語との関係」

2015年07月08日 | 東洋史
 孫江/劉建輝編著『東アジアにおける近代知の空間の形成』(東方書店 2014年3月)所収、同書207-250頁。

 康有為は当時〔戊戌期〕、日本の漢字新語をもっともよく使用した人物であると言える。 (215頁)

 やはり。

 戊戌期に康有為が意識的、あるいは無意識的に普及させた日本の漢字新語の総数は四〇〇近くになる。 (同上)

 彼は上奏文や著作で日本漢語を、普及の目的もあって多用したというのが筆者の主張である。
 以下は厳密には上奏文ではないが、彼の「上摂政王書」で「理由」という語を見た時にはひどく驚いた。