書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

陳捷 『甲骨文字と商代の信仰 神権・王権と文化』

2014年07月24日 | 東洋史
 第1頁の「緒論」、冒頭からほどもない行に、「(孔子は)老子と会ったらしい」と書かれていて、ちょっと驚いた。注して挙げる根拠は『史記』の「孔子世家」である。それはさておき、甲骨文の語法が周以後の古代漢語と異なり、完全な順行構造であることについてはまったく言及がなく、個人的にはやや落胆する結果とはなった。

(京都大学学術出版会 2014年4月)