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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

『漢典』「実事求是」項を見る

2014年10月20日 | 東洋史
 「实事求是

 その説明に、「本谓弄清事实,求得正确的结论」とある。だがこの説明を待たずとも、私に謂わせれば、これは、元々の意味は「古い本に書いてあることはそのまま事実と信じ、そこに記された内容をできるだけ正確に理解しようと努める」という意味である。
 それはここにも挙げられている出典であるところの、『漢書』巻53「景十三王傳」河間献王徳伝中のくだりを前後併せて読めば明らかだ。

 河間獻王以孝景前二年立,修學好古,實事求是。從民得善書,必為好寫與之,留其真,加金帛賜以招之。繇是四方道術之人不遠千里,或有先祖舊書,多奉以奏獻王者,故得書多,與漢朝等。 (『維基文庫』)

 本のことばかりである。
 ちなみに上の説明の続き、「后多指从实际情况出发,不夸大,不缩小,正确地对待和处理问题」も、これもまた私流に言い換えれば、「現実の問題に現実的に対処し現実的な手段で解決する」という意味だ。ここでは真実など全然求められていない。