書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

陳衛平/李春勇 『徐光啓評伝』

2014年05月30日 | 伝記
 「第五章 “度数之学”与以数学为基的思想」の「三、“不用为用,众用所基”的数学思想」と、「第六章 “格物穷理”与近代科学先驱的眼光」の「四、近代科学幼芽的萌动」とが、自分の関心に重なっていて面白かった。

(南京 : 南京大学出版社 2006年8月)

朱鈞侃/潘鳳英/顧永芝 『徐霞客評伝』

2014年05月30日 | 伝記
 明末清初の中国における科学的思考様式の出現について、限界があったとか独自の歴史的発展によるとか過去の関連研究のようないじましい留保をつけずに当時宣教師を通じて流入してきた西洋の科学技術の影響によると綺麗に認めているのは進歩といえば進歩だが、こんどは反対に、その時代に生きていたからというだけの理由で徐霞客の業績までを無条件にそうとしてしまうのはどうであろうか。傍証のみで直接証拠が提示されていない(この著者連の手法ではできない)。根拠なしの肯定はいつでも根拠なしの否定に転じうる。

(南京 : 南京大学出版社 2006年8月)