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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

伊藤章治 『ジャガイモの世界史』

2008年03月21日 | 世界史
 ジャガイモの原産地はティティカカ湖のほとり。
 インカ帝国の“主要な食糧源”(つまり主食ということだろう)は、トウモロコシではなくジャガイモだった可能性ありとや。 

(中央公論社 2008年1月)

ジョナサン・ウェーンライト著 冨永謙吾/堀江芳孝訳 『捕虜日記 敗北・降伏・捕虜――屈辱の四年間』

2007年04月04日 | 世界史
 太平洋戦争中、著者が収容された複数の連合国捕虜収容所で、管理運営に当たった日本軍兵士は彼らを労役に服させ、ほしいままに殴打し、あまつさえ「日本軍を悪いと考えてはならない」などと“命令”していたという。
 しかし、これらの証言内容がすべて間違いなく事実であると証明されたとしても、その諸事実をもって直ちに日本軍の組織的関与もしくは日本の国家権力による強制があったとすることはできない。

(原書房 1967年5月)

William Swinton 『Outlines of the World’s History』

2007年03月06日 | 世界史
 副題 "History of Civilization and the Progress of Mankind"。

“漱石が英語を本格的に学び始めたのは16 歳の時,明治16年(1883年)のことでした。場所は神田駿河台にあった成立学舎という学校で,東大予備門を受験するためのいわゆる予備校です。漱石はそれ以前にも家で英語を習っていた時期があり,成立学舎入学時の英語力は,本人の弁によれば「ナシヨナルの二位」。「ナシヨナル」とは当時よく使われていたテキストで,レベルはおおよそ現在の中学2年生程度です。ところが,この学校で漱石がすぐに読まされたテキストは,W.スウィントンの『万国史』(William Swinton: Outlines of the World’s History)でした。/『万国史』はこの頃よく読まれていて,東大予備門の英文和訳と和文英訳の試験のレベルもこの本くらいだと明示されています”  (川島幸希「漱石の英語修業」、UNICORN JOURNAL, November 10, 2003)
→http://www.google.com/search?q=cache:V-E0IOOMD2QJ:www.bun-eido.co.jp/textbook/ujournal/uj57/uj570205.pdf+William+Swinton&hl=ja&ct=clnk&cd=14&gl=jp&lr=lang_ja&client=firefox

 そんな由緒ある同書は、劈頭からこんなとんでもない人種差別的歴史観が、何の憚るところなく披瀝される。

"Viewing history as confined to the series of leading civilized nations, we observe that it has to do with but one grand division of the human family, namely, with the Caucasian, or white race. To this division belonged the people of all the elder nations,--the Egyptians, Asir'ans and Babylo'nians, the Hebrews and the Phœni'cians, the Hin'doos, the Persians, the Greeks, and the Romans. Of course, the modern European nations, as also the states founded by European colonists. all belong to this ethnological division. Thus we see that history proper concerns itself with but one highly developed type of mankind; for though the great bulk of the population of the globe has, during the whole recorded period, belonged, and does still belong, to other types of mankind, yet the Caucasians form the only truly historical race. Hence we may say that civilization is the product of the brain of this race." (Introduction, p.2)

 扉ページで、書名とともに "For use in the higher classes in public schools, and in high schools, academies, seminaries, etc" と、書かれている。恐ろしい話だ。明治のエリート知識人たちはいったいどんな顔をしてこの本を読んでいたのだろう。

(原書はNew York & Chicago, Ivison, Blakeman, Taylor, and Company, 1874. 牧野善兵衛ほかによる翻刻出版、1884年11月)

J.M.ロバーツ著 月森左知/高橋宏訳 『〔図説〕世界の歴史』 5 「東アジアと中世ヨーロッパ」

2007年02月21日 | 世界史
“一五〇〇年にイギリスの農夫が耕した農地の形は、四〇〇年以上前に調査員たちがおとずれて『ドゥームズデー・ブック』に記録したころの形と変わらない場合が多かったようです。さらにいえば、一五三〇年にイギリスのある女子修道院を閉鎖するため、そこをおとずれた人びとは、修道女たちが三世紀前の貴族階級の日常語だったノルマン・フレンチ語を話していることを知って驚いたといいます” (「第六章 新たなる未来へ」 本書262頁)

 こちらも驚く。

“この時代〔引用者注・ヨーロッパ中世〕を理解するためには、それほどまでに変化にとぼしかった巨大な時の流れをよく認識しておく必要があります” (同上)

 なお、東アジアの部では、わずか40頁余で秦から清中期までの中国史を多面的に見事に描き出していて、ほとんど神技である。

(創元社 2003年5月)

J. M. ロバーツ著 東眞理子訳 『〔図説〕世界の歴史』 1 「『歴史の始まり』と古代文明」

2006年12月06日 | 世界史
 ふんだんに掲載されている史料の写真が鮮明でしかも美しい。これ見たさに全巻通読を決心するほどに。

(創元社 2002年12月)

▲「Sankei Web」2006/12/05 05:50、「波動砲発射音も再現!宇宙戦艦ヤマトのプラモ発売へ」
 →http://www.sankei.co.jp/keizai/sangyo/061205/sng061205000.htm

“新商品の価格は4万7250円と高価だが、当時ヤマトのファンだった30~40代をターゲットに売り込む”

 すごい精密モデルらしい。しかし私は40代だが、買わない。もしこれが、「スタートレック」のU.S.S.エンタープライズ NCC-1701-A か NCC-1701-E、あるいはクリンゴン・バード・オブ・プレイだったら、考えないでもない。

▲「MSN毎日インタラクティブ」2006年12月3日20時47分(最終更新時間12月3日23時04分)、「知事不祥事:3人が相次ぎ失脚…地方自治に大きな汚点」
 →http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20061204k0000m040096000c.html

 知事の意向を「天の声」と言うらしい。
 正直に言ってこの天、とても低く感じる。竹槍でB-29を突けそうに。