龍馬伝=(忠臣蔵+紅白)÷2

2010-07-21 10:35:54 | 塾あれこれ
NHKって、当たると手抜きするように思います。
官僚的な世界なのでしょう。

ですから、当たり始める辺りまでが面白い。
もちろん、たまにそういう番組に出会うという処が
よろしいのです。

きっと来年以降の大河はまた詰らないものへと戻って
ゆくような気がします。


そんな話はさておき、私が今更言うまでもない大ヒット
『龍馬伝』ではありますが・・つい、またヒトコト。

第3部になり、動きが出てきました。 (『ゲゲゲ』も)
若もの特有のモラトリアムから完全に抜け出て
やっとダイナミックな龍馬の登場ですね。

現在の日本人が、いや私が、いかに閉塞感に捉われ
ているか、それをよく分からせてくれるドラマです。

永い間この国では『忠臣蔵』が国民の心情を支えて
きたようですが、下が上にモノ申すというだけでは、
現代人にはインパクトが足りないのです。

「皆! 何とかせな、いかんろう。そうは思わんか?」
・・呼びかけられ、肩を揺さぶられているのですね。

『龍馬伝』は『忠臣蔵』の現代世界。
国民的な支持土壌があるのです。


忠臣蔵も誰が何の役をするか、豪華な顔見せが楽しみな
ドラマですが、『龍馬伝』は遥かに面白いですね。

登場人物の多彩なこと。

大河ってこうじゃなくちゃあいけません。

それに今回は女性陣の素晴らしさが際立ちます。

紅白を見ているかのように、男性に負けない魅力的な
俳優が次々と現れては「アリアを歌われ」ます。

ご出演の短時間に自分の最高の魅力を出そうと云う
競演の面白いこと、見事なこと。

これはオペラや歌舞伎の楽しみと同じですね。


佐藤健=以蔵が亡くなると、伊勢谷友介(高杉晋作)

こんなピッタリした晋作、今までにいたでしょうか。
最高です。

強さと一種の線の細さが交錯して魅力的な存在です。
「白洲次郎」よりもさらに素晴らしい!

と思うと、蒼井優が良いでしょう。

出てくる人が皆良いのは制作スタッフの力でも
あるようですね。

人材さえ働かせれば、世界でトップクラスのTVを
作れるのだという証明です。

「うむ、日本も捨てたもんじゃない」

・・すぐにこういう感想が出るところがアラカンの
悪い癖であります。