『ウイスキーの科学』

2010-07-08 18:36:58 | 本の話
古賀邦正著ブルーバックス『ウイスキーの科学』
2009年の本です。

題名からして私が買うタイプの本ではありません。
ひと様からの貰いものです。

ブルーバックスでしょう、面倒くさそうですしね。


私はおうおうにして「簡単にいえば酒の話じゃん」のように
決め込み、それ以上突っ込むのを回避する悪い癖があります。

イギリスあたりの蒸留酒でしょ。
穀物を発酵させ、アルコールを蒸留して、樽でねかせ
ブレンドしてボトルにいれたら終了。

どんな仕事でも奥は深いだろうが、それを読んでも結局
忘れるだけじゃん。。。

若いころならウンチクとして仕入れて、飲み屋なんぞで
さりげなく威張ったツモリ・・当人は、ね。

周りは「また始まった、シッタカブリ・・」

今はカミサンですら付き合ってくれない
「はいはい」と言われてオワリですねえ。

だったら読むまでもないか、という気分です。


ところがこういうものに限って案外面白いし
勉強になるのです。

脳ミソの表面の方で推測しただけではいけないの
でした。

どうせ深い世界には届きません。
(たかが新書一冊で分かるような世界はサミシイ)

ですから、入口を覗いてみるだけの話ですが
上記のように覗きもしないで「ああ、~でしょう」で
終えてしまうのとは大きな違いがあるでしょう。

「うわあ、深そうだなー」と実感することが
子供に話をするときにも力をもつはずです。
人間の営みに尊敬をもつことができます。

若いころの私が「人間とは」と言っても説得力を
持たなかったのはきっとそのセイに違いありません。


『ウイスキー・・』

興味深い話がたくさん詰まっています。
(つまりウンチクとして使える話もテンコモリ)

現代の科学をもってしても分からないことが多いという
ことにも驚きますし
科学で分かっていることでも、絶妙なバランスの世界に
感嘆されると思いますよ。

熟成という不思議な世界が待っています。


さらに、そんな難しい世界を科学的知識ぬきで職人の手仕事
として「正解」を得てきた先人の知恵に脱帽。


アルコールの話以外に、味覚についても知識が増えます。

読んで損はないでしょう。