本当に良いのですか?

2008-06-13 10:40:06 | 塾あれこれ
導入した勉強法は本当にそれで良いのか?

簡単な図式から始めましょう。
二つ並べてみますが、代表的なケースを私なりに
まとめてみたものです。

図式の前提として、生徒の間には学力(成績)分布が
あるものとします。便宜的にabcと別けますね。
aはテストの成績がよいグループ。
一般に学力が高いとみなされています。
bが中間でcは下位グループになります。

通常bの数が多いのですが、話を簡単に進めるために
1/3ずつ居るものとします。

さて、どこかが新しい勉強法を採用するとします。
(現状より学力や成績をアップさせたいのは誰も同じ)

大きくいって二つあると思いますが、まず一番目は
もっとaの人数を増やそうという作戦です。
bからaへ上がる生徒を増やします。

ただし現実には逆にbからcに下がる生徒も
出てきます。

立派なシステムですと上がる生徒が多くなり
aが3/5にもなるかもしれません。
多少下がるのがいてcが2/5ですね。(bが消滅・・)

通常みなさんaに注目します。
「すごいシステムだ、aが倍増したぞ」

進学校や進学塾はすぐに採用するでしょうね。
受験結果も倍になるのですから。


下位グループの問題は認識しているでしょう。
良心的な組織ならば別途手当てをいたします。

補習とか個別指導とか。能力別授業編成も。

それらをエクスキューズとしてaの倍増に飛びつく
ハズです。
私でも進学塾のときならば採用したでしょう。

しかし、一部とはいえbの人間をcへ落とすシス
テムが果たして教育的といえるのか?
その生徒たちの立場になって欲しいものです。

上記思考モデルではcは微増なのですが
私はそれでも問題であると思います。
社会全体として40%のcでいい?

「きめ細かい対策」自体が生徒に「自分はcだ」
という気持ちを植えつけてやしないか?

つねに補習をやらされる側の気持ちになってみると
感謝ばかりとはいかないでしょう。

もちろん全体が上がるようなやり方がベストです。
ただそれは神業に近いでしょうね。
あれば全国で飛びついているはずです。


ご時勢は塾だけが営業を考えるものではありません。

格差拡大に目をつぶっても上をなんとかしたいのが
先生方各位のホンネでは?

cから月謝はしっかりと頂いておいて、です。


対照的に同じ成績アップでもaは変わらないが
cからbへ、が増えるシステムではどうでしょう。

どこどこ何名、が生き死にを分ける時代に
一定以上の生徒を抱える組織が採用するか?

やはりaを増やす方を採用するでしょうね。


こう書くと私はゴリゴリの平等主義者のように
見えてきますね。

そういうレッテルを貼って格差拡大の考えを
進めている多くの日本人に、それだけでいいの?
と思うのですが、続きは明日。