『アメリカン・スプレンダー』を見たよ

2008-06-01 09:00:35 | 塾あれこれ
TVを録画して昨日見ました。
いや~面白い!!

2003年のアメリカ映画です。
粋でオシャレでハートウォーミング。

う~む、最近の映画も捨てたモンじゃないね。
私が映画情報にうとくなっただけか?

実在の人物をモデルに自伝的な映画です。
ふつう実物より大分マシな俳優を使うよね。
ところが冴えないオジサンなのだ。(役の上)
メタボで髪はうっすら~


映画は普通のドラマ仕立てとは変化させてあります。
俳優が演じるドラマの部分と、ご当人たちが登場する
パート、それに漫画、この3つを大変上手に組み合わ
せてあります。

でも難解な実験映画ではありませんし、マジメな面白
くない東大卒の理論派がカミサンを使ったような独り
よがりの作品などとも全く違う、娯楽作品です。

最後にちょっぴり考えさせます。

映画の構造自体が大変に粋です。
一風変わったものを作るためだけの仕掛けではなく
カタチにも意味があるのでした。


冴えない中年男を主人公にして
どこがSPLENDOR(輝き)なんだか。
見かけも経済も仕事も才能も全て底辺に近いのです。
メタボでハゲで愛想のない怖い顔
小心ゆえにすぐキレル
カミサンには逃げられる
120%の閉塞感に包まれている男です。

矢野兵動のマンザイみたいな「あるある」ですが
アメリカのくら~い部分一杯です。

どこがオシャレなんだか・・
見ていただかないと分かりませんねえ。

漫画はアメリカのアングラものらしい絵柄です。
音楽はジャズ系
(Jコルトレーンなんか美しくて泣けます)


主人公ハービー・ビーカーもさすがにあるとき
これではいけないと「自分にキレた」
ナントカしようと漫画の原作を書いたのです。

そこから少しずつ有名になる、アメリカンドリーム
の小粋なバージョンと言えます。

彼の周りにもいる嫌なやつを、そのまま描いてなお
どこか憎めない、全否定していない、このあたりも
アメリカっぽくて良いところです。

カミサンに逃げられて落ち込んでいるあたり
共感できるなあ。

(続く)