サイモン・シン

2008-06-20 08:07:39 | 塾あれこれ
サイモン・シン著、新潮文庫『暗号解読』を
読み終えました。(巻末問題はパス)

大変に面白い本でした。
これほどの内容をこのお値段では安すぎますね。

近年は本を読むスピードが遅くなり、かつ読書時間が
なくなって昨年7月出版の本をやっと読了しました。
今頃になって、ね。

美味しいものをゆっくりと味わうように・・かな?

けれどもこの本をご存知の方なら「今頃読了?」
でしょうね。
何をおいてもさっさと読むべきでした。


シンは当ブログでも触れた(07.1.19)『フェルマーの
最終定理』の著者です。

我々凡人にはとても歯が立たない難しい数学や科学の
話をわかりやすく読ませてくれます。
特に式を使わないで数学を説明するのは大変な才能だ
と思います。

『暗号解読』は『フェルマー・・』に負けない
いやそれ以上に面白い本ですね。


暗号は言語や記号だけでなく数学や科学的成果が詰め
こまれた技術です。
現代では情報の最新技術に関わっています。

その暗号は使用するニーズから戦争、政治や経済に
関係しその面から本書を読むのも面白いでしょう。

よって国防に関心あるウヨク読むべし、ですが
そちらに向け特別に書かれた物ではありません。
お気に入らないところがあるかもね。

暗号なくしてはネットで買い物一つできません。
Eメイルも安心して打てません。

出版されるぎりぎりの最新情報まで入っているようで
シロウトには驚くべき世界です。


面白い話がこれでもかとテンコモリの本ですが
作者はそのレベルでは満足しません。

人間というものに迫る面白さが一杯です。
とりわけ次々と現れる天才たちの面白いこと!

人間の脳の素晴らしさ、ハートの重要性、そういった
ことを感じる度にページを繰る指が止まり、しばし
ウ~ムと思う己でありました。

本当にスゴイ人がいるものですね。
描かれた人も描いた人も。