インフレが奪う

2008-06-08 11:54:04 | 塾あれこれ
企業はインフレ傾向を歓迎しますから
現在の政府も右へならえ、となっています。
(タテマエは別のことをおっしゃる)

企業活動が良くないなどとは思いませんし、
多少の物価上昇は経済上やむをえないとも
思います。

けれどもインフレは困ります。


年に10%価格が上がるとします。
年収300万の消費者物価指数ではそうなりそうです。

これが7年続けば物価はほぼ2倍になります。
(以前、書きました)

物価が上昇する世の中なら金利も上がるでしょう。
5%という現在では考えられない金利で計算します。

1000万の預金(郵貯いっぱいじゃ)これに5%の
高金利がついて7年でどうなるか。
およそ40%の利子となります。

1000万預けていたら1400万!!(郵貯に置けない・・)

でも、物価が倍ですから貨幣価値が半分になり実質は
700万の値打ちしかなくなります。

1000万の価財産が3割目減りしてしまいました。

もう7年でまた半分=350万。

貯金がもし1000万あっても14年抱えていれば三分の一
の価値に減ってしまうのです。

価値の三分の二は誰かが「奪った」

現在60歳の人で1000万の蓄えがあり使わないで大切に
5%の高利で「運用」していても後期高齢者になる
前にそのお金を三分の二も奪われるのです。

だからインフレは良くない!


企業が元気になっていけば、いずれ人々に富が
回ってくるという考えも成り立つでしょう。

戦争直後の日本の経済政策がそうでした。

アメリカ式の社会はそうでしょう。
中国も改革開放経済でそうしました。
先にリッチになれるものがそうなればよい、と。

たしかに経済は発展していますね。
もしかしてこれしか方法が無いのかもしれません。

ただし格差が大きくなる欠点があります。
社会がギスギスしますよね。

それを政治がどれほどカバーできるか、ここが大切。


インフレは政府が起こすものではない、とウソブイて
対策をとらねば(未必の故意)といえるでしょう。

国際的なインフレを待ってましたとばかり歓迎する
政府の姿勢が見えていますね。

これでは富のかたよりを調整する政策はごく最低限
のところに留まるに違いありません。

さらにインフレそのものを押さえようとする気が
あるのかどうか。

財政赤字に苦しむ政府にとってはインフレが最良の
クスリになります。
上記の逆で十数年待っていれば借金が三分の一に
自動的に減ってしまうのですから。

いったん悪性のインフレになるとそこからの脱却は
大変に難しいのです。
しかも現在予想されているのは世界的な規模のもの
です。各国が協調して対応できるか?
とても難しいことでしょう。

今のうちに各国に呼びかけることを日本がするべき
です。
借金がへると喜んでいるのはおかしいのです。

なぜならインフレは物を持たざる者が損をするから
です。

塾のオッサンでも分かることがナゼできないのだろう?
私、間違っていないと思うのですが・・