D51 1042 [追]

2010-01-14 | 鉄道模型
また似たような模型が出てきました。
また北海道ですね。
どうしてなんだろう、いくら日本中の保存機関車に占める末期北海道のD51の比率が高くともこればっかりになっているのはどうしてだろうか?

IMONでは長野型集煙装置も売っていますよねぇ

と、ぼけた頭で考えていたら、そういえば10年程前、IMONで昭和49年蒸機ナンバープレートを発売していました。
それを利用して店主作品が出来てきているわけです。
(所詮自分の責任でした・・・)
ナンバープレートをエッチングで作るのも、キリハギして仕立て上げるのもかなり大変ですので、「ありもの」が有ったらそちらに流れていくのは当然と言えましょう。

と、まるで寝ぼけたような話の後で、よく考えたら昭和49年鹿鉄局と言う商品もありました。

でも、それは品切れしているようです。すみません!

C11キット発売を機に「会津若松ナンバープレート」を発売したわけですが、九州モノのナンバープレートとしては「昭和49年鹿鉄局」にかなりの数のC11が入っています。 これも最近のIMON式(製品附属と同じ仕上げの)外周切り落としプレートとして組み替えて急ぎ発売致します。


昭和49年シリーズで行くとなると、南九州、北海道以外の地方では昭和49年はちょっと時代が行きすぎています。
面白い機関車が消えた後を作っても仕方がないですね。
「区名札」「全検表記」ともどもちゃんと考えないといけませんです。


会津若松は、1972年以降と言うことで必要そうなカマは大体入っていると思いますが、C11325も入っているところが良いかナと思います。

(C11325は、四次型ですから木のデフ→鉄に交換だと思いますが、米沢辺りだったかで廃車になる前の写真を見ても上下寸法が大きい特殊なデフの機関車ですのでご注意!)


とんでもない目立つところに結構激しい埃のカタマリが塗装の中に閉じ込められています。
切開摘出手術! といっても綺麗に取れた感じではありません。いきなり前途多難です。


更に摘出、傷の行ってしまったところへかなり派手なタッチアップ!
配管のタッチアップは強度を考えて車輪用のリターダシンナーで溶いた塗料です。
前途多難です。
結果駄目ならシンナー池行きですが、何とかごまかして仕上げてしまいたい!
途中経過いつも酷いモノです。


台枠塗装のための動輪マスキングをしようとしているところです。


動輪の裏側に少し回り込むようにマスキングします。


こんな感じです。


前側、シリンダーブロック内ウェイトが付いた状態です。


マスキングの傍ら、スノープラウ等に「レッドブラウン」をかすれた筆でタッチアップして吹き付け前のお化粧もしてしまいます。


ブレーキシューにレッドブラウンを塗ってから全体に汚れ色を吹きます。
ブレーキシューのシューだけ茶色い汚れ方をしていた車両も居ますが、私は全体が錆色に汚れていた汚れ方の方が好きなのでこういう色差しをするのです。


塗装場に持ち込まれて汚れ色を扶桑精機のガンで吹かれるブレーキ装置達です。

汚れ色の吹きつけでは一気に全部を汚しますが、神経を使う順番に吹きます。
順番は
① テンダー
② 機関車上回り
③ 機関車下回り
④ 従台車とテンダー台車
⑤ ブレーキ装置

この順番は絶対に動かしません。
この吹き付けシーンは、最後のどうでも良い「ブレーキ装置の吹き付け」なのです。


吹き上がったモノのマスキングを取っていきます。


台車を組立終わり、これから一番嫌な作業、車輪の塗装に掛かります。

まず機関士側動輪の輪芯を、ボックス動輪の穴から始めて筆塗りしてゆきます。
リターダーシンナーで溶いた塗料です。


機関士側輪芯が塗り終わったらてらてら光っているうちにモーターに通電して回し、タイヤ部の塗装に掛かります。


タイヤ部分も塗り終わりました。
現在私が使っているのはこんな色です。
乾燥すると、吹き付けた汚れ色に近い色になりますが、吹き付ける汚れ色より僅かに艶がある色にしてあります。

実機の場合、油のまわり具合、ウェスで磨く事による差でやはり動輪はやや艶では勝る事がひとつ。
模型としては艶がある表面の方が強いという機関車使命を果たす為の実用状の都合がひとつです。

製品C11のシンガーフィニッシュにおいて、動輪とフレームを最初からこのような「茶」に塗装した事に対して或る模型雑誌に「最初から茶に塗装した」と書いて批判っぽい文章に書かれてしまいました。
どの雑誌だったか覚えていません・・・・
「おいっ!日本蒸機の汚れ具合がわかっているのかお前?!!実際にウェスで拭いたか?」
と売られた喧嘩は買いたい気分です。
果たして蒸機のウェザリングの経験をどれだけした人間が書いているのでしょう??
実際の蒸機はかなり赤かったモノが多かったですから。


黒く塗装した動輪に、回転させた状態で汚れ色を吹き付けていたのが乗工社から続くかつてのIMONのシンガーフィニッシュでした。

それは車体に吹く汚れ色(茶)と同じなので、吹きすぎると車体と同じ超つや消し状態になってしまい見られた姿じゃなくなってしまいます。

概して余り吹けませんから、動輪と他の部分の色に差が出てしまいがちでした。
更に、踏面とバルブギヤに掛かった汚れ色を落とす作業が有りました。

その作業の問題点は、車輪側面の塗装を痛めずに踏面&バルブギヤを完璧に落とすのが大変だった。もっと言えば折角塗装した車輪側面に痛みが回った「感じ」が多かったのです。

そして、台枠は動輪よりも茶色い位の方が良いです。
動輪と違って、台枠は黒塗装に汚しをムラを付けて吹きたい位です。
しかし、量産する製品レベルではそれは危険でもあるし、コストに跳ね返る恐れが大きいのです。
ましてや完成品として売られているIMON蒸機は一台一台下回り専門の組み手が組み、完璧な調整を終えています。その組立前に支給する塗装済み台枠がそういう仕上げをした台枠と言うのもなかなか大変な話です。

まだまだIMON蒸機の仕上げ方法として確立したと思っては居ませんが、表現としては随分考えて努力しているつもりです。


回転を止めてからカウンターウェイトを筆塗りします。
既に輪芯部から乾き始めています。
輪芯は余り厚く塗りませんが。タイヤは厚くなるように心がけています。
回転させる事が良い効果なのかもしれません。

この後、先輪、従輪、テンダー車輪を指で回しながら筆塗りで塗装していきます。

其れが終わってから助士側の動輪を機関士側と同じ手順で塗装します。


乾いて来るとこんな感じです。

今回の私の「汚し」は、汚れ色の艶を少し「有り」に近い方に振ってあります。
ですからいつもと同じである車輪用塗料の艶が少し車体の汚れより艶があるのが判らない感じに見えてしまいます。
理由は、機関車本体の塗装がやや艶があった事と、走行部の調子が良くできているので実用品としてバリバリ使う可能性が有りますので痛みにくい仕上げを心がけたのです。


これはテンダー裏面のマスキングを外したところです。

ボルスター下面は磨いて黒染磨きをしてあります。


と、この後も数時間の作業が有るのですが、血気にはやると途中を飛ばして完成してしまいました・・・・


これで完成と思ったら、架線注意を貼るために実機の写真をチェックしていて、正面ナンバープレートの取り付け高サが高すぎていることを気がつきながら、直すのを忘れて撮影してしまったことに気がつき、急いで修正です。


ナンバープレート位置を直してとりあえず完成と致します。


「架線注意」のお蔭でテンダー後面も素敵になりました。

トラ塗りの板も作って、それはウェザリング前に付けておくと良い感じかもしれません。


(すみません実は石炭積んでから「乾かし」が足りてないかもしれません)


手術跡が余り目立たないので良かったです。

とりあえず緊張する蒸機の汚し、一丁上がりと致します。