忙しくてぶろぐの更新間隔があいてしまいました。もうしわけありません。最近購入した魚の一種。鹿児島県からやって来たスズキ目・シロカサゴ科・アカカサゴ属のアカカサゴ。
アカカサゴや、それによく似たシロカサゴなどはスズキ目・フサカサゴ科のシロカサゴ亜科に含められてきたが、フサカサゴ科からシロカサゴ科として独立したものである。また属もアカカサゴ属が復活するなどしている。さらにアカカサゴは従来はシロカサゴ属に含められてきたが、アカカサゴ属として分けられた。学名もLythrichthys longimanus (Alcock,1894)とされていたが、現在はLythrichthys eulabes Jordan and Starks 1904という学名になったりしている。なお、前者にはスミクイアカカサゴという標準和名が提唱された。
アカカサゴ属は胸部と腹部の鱗が埋没しているが、シロカサゴでは露出するということや脊椎骨数などでシロカサゴとは異なるようである。しかしながら属を分ける違いは微妙なところである。
アカカサゴの下鰓蓋骨棘
アカカサゴの口腔
アカカサゴは下鰓蓋骨棘が同属のスミクイアカカサゴと比べると長く、鰓蓋骨を超えている。一方スミクイアカカサゴはよりこの棘が短く、鰓蓋骨にわずかに達する程度だという。ただし、小型個体においてはこの特徴は同定には使えない。またスミクイアカカサゴは口腔内が真っ黒であるが、アカカサゴは灰色である。しかしこれも幼魚のうちは同定に使えない特徴らしい。成魚でさえこのように同定が難しいアカカサゴ属魚種であるが、幼魚はさらに同定が難しいのではないだろうか。そうなるともう分子分類しかないのかもしれない。
アカカサゴとシロカサゴとおもって作成したシロカサゴ科魚類2種を並べた画像・・・なのだが、どうも下の個体はスミクイアカカサゴのような気もする。下鰓蓋棘も短かったし。これだけだともうどうしても同定は難しいものになってしまう。やはり普通種とおもっていても色々な角度から写真を残すべきものなのである。とくにこのシロカサゴ科だと、下鰓蓋棘やら胸部、腹部の鱗などもしっかりと撮影したほうがよさそうだ。このシロカサゴ?は長崎で採集したもの。今度某氏にお伺いしてみたいと思っている。
アカカサゴは底曳網で漁獲されている。鹿児島市内では「うんまか深海魚」と称して、積極的に食用魚として利用しており、本種やマルヒウチダイ、スミクイウオなどが市内の飲食店で食されている。我が家でもアカカサゴを煮つけにしてたべたが極めて美味であった。今回のアカカサゴも鹿児島県産。鹿児島県 丸万 田中水産の田中積さんより。いつも、ありがとうございます。