魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

マスタッチジョーフィッシュ

2012年11月23日 23時21分47秒 | 魚紹介

 

アゴアマダイ科・アゴアマダイ属のマスタッチジョーフィッシュOpistognathus lonchurus Jordan and Gilbert,1882です。

 
アゴアマダイの仲間で観賞魚として流通するのは橙色の帯があったり、体中に青い斑点があったりと模様が派手なのが多いのですが、本種はクリーム色というか、白~黄色の体に縦線が数本あるという、地味であるがよく見たら美しい種類です。
 
 
マスタッチとは英語で口ひげの意味。その名の通り、顎のところに黒いラインが入ります。アゴアマダイの仲間は可愛いのが多いのですが本種ではさらに可愛いので、人気がある種類のようです。本種はフロリダからスリナムの海底に生息するのですが、同じような地域に生息しているイエローヘッドジョーフィッシュと比較するとかなり高価な種類です。
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変わったクロユリハゼ属

2012年11月22日 22時23分24秒 | 魚介類飼育(海水)

 
つい最近水槽に入れた、クロユリハゼ科・クロユリハゼ属の1種Ptereleotris sp.です。
 
 
本種を観賞魚店(瀬戸の「ラパス」)で初めてみたときは、体側の黒色帯が明瞭だったのでやや珍しい種Ptereleotris melanopogon Randall and Hoese,1985であると思いましたが、その後観賞魚店で見たところ、「黒っぽいひげ」などの特徴はなく、かわりにオレンジ色の模様があり、ハナハゼの仲間のようでした。写真でも不明瞭ではありますが、うつっていますね。
 
 
こういう大型のクロユリハゼ属は観賞魚として入荷するのはあまり多くない(幼魚が多い)のですが、今回は私のために仕入れていただきました。さらに細めのクロユリハゼの仲間はやせていてなかなか餌を食べないのもいますが、今回のは餌食いもよい個体でラッキーでした。
 
黒い帯と平行した橙色の帯があるのが特徴です。尾鰭は糸状にのびません。
 
ハナハゼ
 
ハナハゼ尾鰭
 
写真のハナハゼPtereleotris hanae (Jordan and Snyder,1901)が、南日本では普通に見られるのですが、今回入手した個体と違って尾鰭の軟条が糸状にのびています。本州から九州に生息するものでは6本ほど伸びていますが、このほかに近縁種が2タイプいて、それは尾鰭の上・下の2本のみが伸長します。
 
ハナハゼにも体側にオレンジ色の縦帯があります。この縦帯とよく伸びる尾鰭が美しくはなやかであることから「ハナハゼ」というのかと思いきや、東京大学・三崎臨海実験所の、箕作佳吉博士令嬢のお名前から来ているそうです。箕作博士は、「ミツクリザメ」などに献名されたことでもよく知られていますね。
 
●本種の正体は??
 
クロユリハゼ属の仲間は2008年にもいくつかの種類が新種記載されるなど、あわただしいのですが、この個体はハナハゼの近縁種で間違いはないでしょう。「魚類写真資料データベース」では、本種と同じと思われるものがいくつか掲載されていまして、「ハナハゼ近似種2」となっていました。撮影された場所は西部太平洋の比較的広い範囲におよび、沖縄県からの記録もありました。ちなみに「ハナハゼ近似種1」は尾鰭の上・下の軟条のみが伸びているやつでした。
 
●水槽内では
 
この仲間は臆病でやせやすく、複雑にサンゴやサンゴ岩などでレイアウトされた水槽ではすぐにヒッキーになってしまうので、オープンな環境ですこし岩がある、というような水槽が飼育にはよいかもしれません。もちろん、本種の遊泳に悪影響のあるクマノミやスズメダイなどは避けたいところ。
 
 
ほかの魚には基本的に無関心。同じクロユリハゼ科でも属が違うシコンハタタテハゼNemateleotris helfrichi Randall and Allen,1973や、サツキハゼParioglossus dotui Tomiyama,1958に攻撃もなにもしません。ほか、同属のクロユリハゼPtereleotris evides (Jordan and Hubbs,1925)がいますが、無視しています。大きさが違うからなのでしょうか。ただこの属は同属ではあまり争わない種類とされています。
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ハナフエダイ

2012年11月20日 20時50分47秒 | 魚紹介
 
フエダイ科の魚もいろいろ食べてきましたが、こんな派手なフエダイはまだ食べたことがありません。
 
ヒメダイ属のハナフエダイPristipomoides argyrogrammicus (Valenciennes,1831)です。
 
 
ヒメダイ属の魚は、フエダイの中でも、やや長めの体でスタイルもよい、顔はフエダイよりも丸みを帯びています。日本にはオオヒメ、ナガサキフエダイなど8種ほどが分布していますが、その中でも特に美しいのが本種。体はピンク色で、体側には青い線があり、尾鰭や体側の上方は黄色。他の種類は、灰色や茶色などのが多いです。
 
南日本にも分布しますが、基本的に沖縄あたりに多い種類です。この個体も沖縄県産です。
 
 
クビレヅタをおいて、刺身にしていただきました。右がハナフエダイ。左がまた別の魚(アザハタ)です。肉は白身で、かなり脂がのっており、南方の魚としては美味しいものです。
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メイン水槽の海藻

2012年11月19日 20時56分40秒 | 魚介類飼育(海水)
 
メイン水槽で飼育しているスズカケヅタと、クビレヅタ。何れもよく成長しています。

とくによく成長しているのはスズカケヅタで、ちゃんとサンゴ岩に活着していますが、根の伸びがすさまじいことになっています。クビレヅタは少し流れてしまいまして、別の水槽に移動させました。一部が残っており、ゆっくり成長していってるようです
 
 
新しい水槽の住人であるカエルウオは、海藻に口をつけているのですが、カエルウオはこの海藻につく藻類を好んで食っているようです。食害などもありません
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宮崎での魚採集4

2012年11月16日 20時58分08秒 | 魚介類採集(海水)
 
宮崎の魚採集の記事。4回目。これが最後です。最終日釣りをしたのは小さな漁港。
 
 
河川にも近いので、メッキアジも釣れた。これはカスミアジ。カスミアジは胸鰭が黄色く、尾鰭後縁が黒いなどの点で他のメッキさんたちと区別しやすいといえる。メッキアジは関東方面の呼び名だろうか。現地では「えば」と呼んでいた。四国でもこの名で呼ばれたりする。
 
 
こちらはギンガメアジ。私が釣った「メッキ」はこの2種類だけであったが、一緒に釣りをしていた方はロウニンアジを釣っていてうらやましかった。このくらいの大きさになると、ロウニンアジは明らかに違うのである。なんか、体が大きくて高いというか・・・。
 
メッキアジたちは、河川の汽水域や、この場所のような浅い港でつれるので、子供たちの遊び釣りにはぴったりだ。この仲間も何種類かいるので、同定眼を養うにはちょうどよいターゲットかもしれない。もっとも、同定が簡単というわけではないが・・・。これらは30匹ほど釣って、みんなでから揚げやたたきにして食ったが、とても美味しかった。
 
 
アジは回遊魚だから、回ってこないと釣れない。メッキがきていない間は、マハゼが相手をしてくれる。この場所は若干泥が積もっていた。この魚は海面からその姿を見ることができた。ただこの個体はなぜかかなりやせていてちょっとかわいそう。撮影後リリースすると元気に泳いでいった。
 
 
ツムギハゼは、以前にご紹介した通り。筋肉や皮膚に毒をもつ、有名なハゼだ。このハゼの分布域は基本的に奄美大島以南であるが、ここ8年ほど、高知県や和歌山県などでも見られるようである。私はまだ釣ったことはなかったが、今回宮崎の釣りで初めて釣れた。
 
この魚はオキアミを眼の前にさしだすと食うのだが、引っ掛けても、触っても、まったく動こうとしない。自分には毒があるから、そんなにあわてなくても、大丈夫ということなのだろうか。
 
第1背鰭の棘がやや伸びるのと、体側から尾柄部にかけて大きな黒色斑が3つならんでいるのが特徴だ。スジハゼの仲間にも似ているが、スジハゼは体側に縦帯が数本あるが本種にはない。
 
先ほどのように基本熱帯域のハゼである。この種類も黒潮に乗ってやってきたのか、あるいは繁殖した個体が見られるのか。いずれにせよ南国宮崎の気候が、この熱帯ハゼの生息を可能にしたのかもしれない。この魚とマハゼが餌を奪い合うようなシーンは、なかなか見られない。
 
 
ツムギハゼとならびもう1種、初めて釣ったのがゴマフエダイ。これも熱帯域に多い魚で、幼魚は和歌山など、南日本の太平洋側ならかなり広い範囲に生息する種類。写真ではわかりにくいのだが、各鰭が鮮やかな赤色にそまり、とても美しい。基本的に単独でいるかと思いきや、複数で群れていた。しかし、釣れたのはこれ1匹だった。この場所ではほかにクロホシフエダイやオキフエダイなどの姿もあった。思ったより塩分が低めなのかもしれない。降り続いた雨の影響もあるだろうか。
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