魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ニラミギンポ

2023年12月07日 23時17分56秒 | 水中写真

今年の四国遠征では水深3mほどの場所にカメラを仕掛けると、面白いイソギンポ科の魚をカメラにおさめることができた。カエルウオ族・ニラミギンポ属のニラミギンポである。

ニラミギンポは和歌山県、愛媛県、高知県、長崎県、屋久島、韓国済州島、台湾、東・南シナ海に生息するカエルウオの仲間。体は真っ黒で、体側後方から尾鰭付近がオレンジ色になるのが特徴である。普通種とされているが、私はこの場所に2006年から通っているものの、見たのはこれが2回目という珍しい種である。この属は日本には6種がいるのだが、近辺ではニラミギンポ属の魚は本種のみが見られる。底から5cmほど浮いてコミカルな泳ぎ方を披露したが、肉食性の魚が怖いのか、大きなフエダイ類などが近づくと隠れてしまった。

ニラミギンポのように体側が黒とオレンジ色の2色に分けられるものとしては、フタイロカエルウオというのがいる。しかしフタイロカエルウオは背鰭に欠刻があるのに対し、ニラミギンポは背鰭に欠刻がない。また背鰭鰭条数は棘・軟条あわせてフタイロカエルウオで27~29、ニラミギンポでは31~32と多いことで見分けることもできる。またフタイロカエルウオは色彩のバリエーションが多く、グアムなどでは色彩が大きく異なる個体も見られる。分布域は屋久島以南琉球列島で、屋久島では分布域がニラミギンポと重なるよう。四国では見られない。

フタイロカエルウオは観賞魚としてアクアリウムシーンではお馴染みの存在ではあるが、ニラミギンポは過去に「チャーム」などで見ているものの観賞魚としてはめったにお目に罹れない。なおニラミギンポ属はほかにもゴイシギンポやヒトスジギンポ、イシガキカエルウオなど人気がある観賞魚も多いが、いずれの種もこけはほとんど食べてくれない。それどころかハードコーラルを食べてしまうような個体もいるので注意が必要。

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