恒例になっているのかわからないけれど今回も登場するのはスミクイウオの仲間。今回の魚はサラシヒメスミクイウオ。ホタルジャコ科・スミクイウオ亜科、もしくはスミクイウオ科、ヒメスミクイウオ属の魚である。サラシヒメスミクイウオも近年(2017年)に新種記載されているものである。近年この仲間で再検討が行われたようだ。
サラシヒメスミクイウオの特徴はいくつかあるが、その大きな特徴は体側の背方と腹方で色が大きく異なっていることである。また第1背鰭第2棘や、第2背鰭棘、臀鰭棘がなめらかであるのも特徴らしい。臀鰭棘は2本で、3本あるバケスミクイウオと区別することができるが、そのバケスミクイウオも、幼魚のうちは臀鰭棘が2本あるとされるので、間違えられることもあるかもしれない。なお標準和名のサラシというのは腹部にまく「さらし」のことだという。分布域は土佐湾と日向灘のやや深海であるが、静岡県からもサラシヒメスミクイウオと思われる耳石化石が発見されている。
サラシヒメスミクイウオを食してみた。以前のオリーブヒメスミクイウオと同様に非常に小さい。そのためうまみなどはあまり感じられなかったが、やはり美味しくいただくことができた。今回の個体もオリーブヒメスミクイウオと同様、「深海魚ハンター」さんに送っていただいたもの。いつもありがとうございます。