魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ヒメコトヒキ

2021年01月01日 20時45分33秒 | 魚紹介

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

昨年初めて食べたシマイサキ科の魚だが、シマイサキだけでなく、こんな魚も来てくれた。ヒメコトヒキという魚だ。
ヒメコトヒキはシマイサキ属ではなく、コトヒキ属の魚である、しかし直線的な縦線なので、シマイサキに似ているが、線の太さや数などがシマイサキとは違うので間違えにくい。写真では縞模様が薄いがもっと鮮明なものが多い。また顔つきはシマイサキとは大きく異なる。さらに背鰭の大きな黒色斑もヒメコトヒキの特徴といえそうだ。

 

ヒメコトヒキとシマイサキ

写真は上がヒメコトヒキ、下がシマイサキ。同じシマイサキ科の魚であっても見た目が大きく異なっている。ヒメコトヒキはコトヒキ属で、シマイサキはシマイサキ属。シマイサキ属は1属1種。


ヒメコトヒキの前鰓蓋はカミソリみたいな感じになっているので、注意しないと危ないかもしれない。

ヒメコトヒキは以前も紹介したことがあったが、過去に紹介したのは幼魚であり、成魚は初めてである。幼魚は流れ藻やゴミなどの浮遊物につく習性があるため、関東地方の沿岸でも見ることができるのだが、その数はコトヒキと比べて圧倒的に少ない。国外の分布はインド-西太平洋の熱帯域であるが、最近地中海からの記録もある。

コトヒキ属は3種が知られ、我が国にはコトヒキとヒメコトヒキの2種が生息している。日本には生息しないTerapon putaは側線鱗数が70~85と、ヒメコトヒキ(側線鱗数46~56)と比べて圧倒的に多く、また体もヒメコトヒキに比べて細長いのが特徴である。この種の分布域は紅海(~スエズ運河経由で地中海)、ザンジバルから東南アジアにかけて達しているため、日本で見つかっても不思議ではないだろう。

ヒメコトヒキは東南アジアでは食用種。今回も食してみたが、かなりうまい。鹿児島の田中水産 田中積さんより送っていただいたもの。ありがとうございました。

それではみなさま、本年もよろしくお願いいたします。

コメント
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