魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

チカメエチオピア

2017年03月11日 16時23分19秒 | 魚紹介

またぶろぐ更新の間隔があきつつあります。申し訳ない。今日はちょっと前、というかもうひと月も前に購入した魚。

スズキ目・シマガツオ科・チカメエチオピア属のチカメエチオピアという魚。ヒレジロマンザイウオを購入したものと思っていたのですが、ハコを開けてみてびっくりでした。図鑑による分布域であ相模湾、紀伊水道、土佐湾、沖縄島、小笠原諸島に分布するとあるが、この個体は京都府で漁獲されたもの。京都府舞鶴の「水嶋鮮魚店」さんにて購入したものです。送っていただき、ありがとうございました。

海外の分布域は西-中央太平洋。ハワイ諸島、ジョンストン。インド洋にも清掃している模様。チカメエチオピア属の魚はインドー太平洋には本種のみが分布。大西洋にはもう1種トロピカルポムフレットEumegistus brevortiというのがいる。

シマガツオの仲間は種類が多い。死後すぐの個体は真っ黒な色彩が格好いい。しかし時間がたつと灰色っぽくなってしまう。今回の個体は死後あまり時間がたっていない個体で、鱗が青く輝いていて綺麗であった、市場には生きた状態で水揚げされたのだという。残念ながら市場のいけすのなかでもうフラフラとしていたようであるが。

チカメエチオピアの胸鰭と腹鰭の位置関係

 

チカメエチオピアはヒレジロマンザイウオという種に似ている。チカメエチオピアとは腹鰭の形がやや異なる。チカメエチオピアの腹鰭は胸鰭基部上端よりも後方にあるが、ヒレジロマンザイウオの腹鰭はそれよりもやや前のほうにある。また縦列鱗数もチカメエチオピアのほうがヒレジロマンザイウオよりも多い。

尾鰭の形も異なる。チカメエチオピアは尾鰭の中央部もやや突き出た「二重湾入形」。ヒレジロマンザイウオはもっと三日月に近い形をしている。尾鰭は上・下葉の先端が白くなる。

舞鶴ではたまにツルギエチオピアも揚がるそうだ。チカメエチオピアの尾柄にはとくに大きな鱗はない。ツルギエチオピアは尾柄のところに大きく隆起した鱗があるので本種と区別することができる。比較的深場に生息する種で「南日本太平洋沿岸の魚類」では水深230~620mの漸深層に生息するとある。この本に掲載されている個体はアカムツ延縄で獲れたという。日本海側でもアカムツは重要な漁獲対象種となっている。もしかしてこの個体もアカムツ漁で獲れたのかもしれないが、この科の小型のものは定置網や底曳網などでもたまに入ることがある。

この仲間は貪欲な肉食性の魚。はたして何が胃の中に入っているか、とさばいてみたら、釣り用のライトと思われるものが入っていた。光に反応して食いついたのかもしれない。今回は刺身で食したが非常に美味。

コメント
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