前回、ヘリダラか、ハナソコダラか、というぶろぐの記事を書いたけれど、今回はそのヘリダラか、ハナソコダラと一緒に獲れたこれ。ヒウチダイというキンメダイ目の魚である。
最近は深海魚のブームで、「食用になる深海の魚」がメディアにいろいろと紹介されている。深海魚のものとしては、キンメダイ、ムツ、ニギス、アオメエソといった種ほどではないが比較的よく食されている種類。ヒウチダイは水深200m以深の海底に生息し、底曳網や釣りなどの漁法で漁獲されているもの。以前このぶろぐでご紹介したハシキンメに似ているのだが、ハシキンメは側線鱗がほかの鱗よりも少し大きいくらいなのだが、本種の場合は側線鱗が明らかにほかの鱗よりも大きく、縦状になるという特徴がある。
尾鰭は後縁が黒くなるという特徴がある。この特徴で日本に分布するヒウチダイの仲間でもよく似た種であるマルヒウチダイと容易に見分けることができる。
ヒウチダイの稚魚。写真の稚魚は体長29mmの稚魚であるがそれでも尾鰭の後縁が黒いという特徴が出てきている。この稚魚は沼津ではなく、愛知県三河湾産の個体で、アオメエソの中に混じって販売されていたもの。今回ヒウチダイの記事をアップして、私のブログに掲載されたヒウチダイ科の魚は合計3種となった。
後はクロヒウチ、マルヒウチダイ、そしてミナミハリダシエビスの3種であるが、クロヒウチは日本近海では東シナ海の水深500m以深の深海、またミナミハリダシエビスはクロヒウチよりは浅いものの、日本近海では九州-パラオ海嶺にのみ分布しているようで、なかなか拝むチャンスはなさそうである。
ヒウチダイを食した話はまた今度。