秋の潮は穏やかなことが多い。と言っても、春の潮のような弛みはない。
澄んできびきびとしている。つまり、冗漫さや蛇足がないのだ。
波に付き合っている岩にも、揺るぎはない。冬ほどの厳しさはないが、微塵も甘さは感じられない。まるで古武士だ。
愛想なしの岩に乾杯。
私も斯くありたいものだが、いまや緊張を持続させることは無理。この頃は、ハナから諦めている。
円満になったと言われ、密かに悦に入っているのだから、他愛ないではないか。
秋潮を被りて岩の無愛想 ひよどり 一平
秋の潮は穏やかなことが多い。と言っても、春の潮のような弛みはない。
澄んできびきびとしている。つまり、冗漫さや蛇足がないのだ。
波に付き合っている岩にも、揺るぎはない。冬ほどの厳しさはないが、微塵も甘さは感じられない。まるで古武士だ。
愛想なしの岩に乾杯。
私も斯くありたいものだが、いまや緊張を持続させることは無理。この頃は、ハナから諦めている。
円満になったと言われ、密かに悦に入っているのだから、他愛ないではないか。
秋潮を被りて岩の無愛想 ひよどり 一平
今年の冬は、例年よりも早いとか。
夜半から今朝にかけて、木枯らし一号が吹いたそうです。
季節の移りが早まると聞けば、私の気持ちにも焦りが射して来ます。なにしろ私は、大の寒がりなのです。
夏の始末が十分に出来ていないのに、冬の支度を急ぐというのですから、大弱り。
イソップ童話の「アリとキリギリス」を思ってしまいます。
寸刻を惜しむはあはれ秋の蝶 ひよどり 一平
晩秋、故郷の海です。
この日は穏やかに凪いだ海でしたが、暗い雲が垂れ込めていたせいか、荒れた感じに撮れました。
私の生れ育った家は、ここから2キロほど離れたところ。
また、数百メートルほどのところに、詩人野口雨情の生家があります。
この砂浜には、いろいろな思い出が詰まっています。私にとっては原点の一つです。
当時、この辺りは遊泳禁止になっていました。浅いように見えて、急に深くなっているのです。
イシモチ釣りにはよく来ました。滅多に釣れたことはありません。
釣り人はたくさんおりました。いい仕掛けの竿を持った大人たちです。
私は竿なしでした。錘をしっかり持ち、引き波を追って行って、沖を目がけて放り投げるのです。
私のような子供に引っかかるのは、イシモチではなくほとんどフグでした。フグはその場で捨てました。
昭和20年(1945年)7月、ここの沖合に停泊したアメリカ第七艦隊が、陸に艦砲射撃をしたことがありました。豪雨の深夜でした。
こんな近くにまでアメリカ艦隊が近づいたのですから、日本が戦争に勝てるはずはありませんでしたね。
成長してから後、私はこの海から、生きる勇気をたくさん貰ったつもりでいます。
そしてまた、沢山の悔いを捨てました。ふるさとは悔いの捨て場所でもあるようです。
悔い捨つるためのふるさと秋深し ひよどり 一平
過日は奥日光を通過し、金精峠を抜け、片品村の菅沼へ。
私は菅沼、丸沼付近が大好きだ。なかでも、これから12月までの荒涼たる風情がたまらない。
金精峠は12月から翌年の4月いっぱいは通行止め。
以前、4月下旬の頃菅沼、丸沼へ行ったが、私の趣味には合わなかった。何とも人間臭くてイヤだった。
その点、今の季節はスッキリしていて心が落ち着ける。
とても静かだ。人間を突き放している感じはないが、無関心で媚びていない。
「居たければ居てもいいよ」
そんな感じかなァ。
私を受け入れてくれていながら、突き放した感じでニコリともしないのだ。それでいてトコトン拒否しているわけではない。
そんな風情に惹かれ、私は毎年の晩秋を狙って菅沼へ。
しかし、此処に長居はしない。日光を通って東北道を帰らなければならないからだ。170キロ以上の運転が待っている。
せっかく来たのだが、俳句は一句もできなかった。
昨20日、臨時国会招集に関し、政府与党と野党の幹事長・書記長会談が行われた。
野党はTPPの審議や新閣僚の所信を聴取すべきとして、臨時国会の召集を求めた。
それに対し与党は回答を留保した。
政府・与党は、安倍首相の外交日程が立て込んでいることを理由に、臨時国会の招集を見送る方針らしい。
そのような政府・与党の態度に、私は得心が行かない。なんかヘンでね。
安保法制の論議の際、政府の説明不足を認めた上で、「今後は丁寧に説明したい」と言っていたのは安倍首相だった。
TPPについても同じなのではないか。政府はトコトン明らかにする必要があるはず。逃げていいことはありません。
新閣僚の身辺に関し、取り沙汰されていることがある。はやくスッキリすべきではなかろうか。新大臣の指導性にも問題が残ってしまう。
安倍さん、逃げてはいけませんよ。
私は安倍さんの国家観にはおおむね賛成です。しかし、「知らしむべからず、よらしむべし」は賛成出来ない。
国会と真摯に向き合ってほしい。
野党は憲法53条を使って、国会の召集を求めるらしい。
是非とも前向きに受け止め、臨時国会を召集して欲しいと思う。
安保法制の審議の際に見せた逃げの姿勢は、敵に背中を見せること。外国にも舐められます。