昨夜、寝床で考えた。
「もう75歳。いろいろなことがあったけれど、まんざら悪い一生ではなかったな。もうここまでくれば、未練がましく、人生を生き直したいとも思わない。やれやれ、極楽極楽」
そんなことを思いながら、寝床に入った。
にもかかわらず、夢で起こされてしまった。
夢の中に、若い女が二人。お互いに知り合いらしく、なにやら話し合っている。
その女たちを、私は知らない。話している内容も知らない。
ところがその女たちは、私が寝ているところの極く近くにいるのだ。ましてその中の一人とは、体温が感じられる距離。彼女がもぞもぞすれば、それは私にも伝わってくる。
「あれっ、近寄ってくるのかなっ?」 というところで眼が覚めた。
若い頃なら、夢の中で、刺激的な場面転換があったかもしれない。
「やっぱり、75歳になったのだなあ」 それは当然の実感であった。
反面、「まだ役割は終わっていないぞ!」 という強い叱責とも受け取れた。
まだ楽をしてはいけない。新たな挑戦を促されたように思った。
出口は見えぬが、また原っぱへ分け入ってみようか。
分け入りて出口の見えぬ芒原 鵯 一平
別館として、写真俳句ブログの「いのちの囁き」を開いております。
ご覧いただけると嬉しいです。
→ こちら