農を語る

自然にやさしい不耕起栽培

香取・藤崎水田でのアカウキクサについて

2014-01-14 10:02:18 | 日本不耕起栽培普及会

藤崎水田で冬期湛水が始まったのはたしか2003の秋からだと記憶しているが、それから2年たった2005年頃突然アカウキクサが発生をはじめ田植え時期からいねの栽培とともに増え始め勢力を強め07年にはアカウキクサの大型のアゾラ(アイガモのえさとして輸入されたとする種)が増殖し田植え後のイネを倒した。F-2の水田で被害が多く苦慮した。その後もオリザ水田で田植え前に水田から除去する作戦をとったがとりきれず山となっていた。たまたまその年秋になって収穫の直前水を落として、1週間後アカウキクサは枯れ、無肥料に近いコシヒカリが元気を取り戻し1,2俵の増収となった。アカウキクサはシダ植物であり葉の裏にシアノバクテリアという空中の窒素を固定する古代菌を共生させていることがわかった。文献で知ることも実際の水田で検証できることは最高の喜びである。藤崎さんはその後収穫後にたびたび発生するこのアカウキクサの生態を知って冬の寒い1,2,3月に水を切って枯らしたりしている。昨年は9月の収穫後の台風で50センチ前後水をかぶりこのアカウキクサは浮き上がって遠くへ流されてしまい今ではその姿を確認できない。浮き草という名前のごとくその正体はなぞに包まれたままである。資源型農法というのは自然生態系を日々観察しそのつど判断を下していかないと違った方向に行ってしまう。またこれは利根川水系や琵琶湖水系など昔からの湿田地帯の水田では不耕起栽培を3年続けると自然に発生するものである。ただ農薬や除草剤には敏感で発生がおさえられる。実験では食用油にも弱いようである。


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