課題-1
1. 森重之さんは秋からの耕運を3回、ドライブハローで1回と代かきを入れて4回耕しているが、これを不耕起で湛水化も加えて出来ないか。
2. 6月末の中干し移行の作業を考えて、稚苗を使った稲作りと乳苗を使った稲作りは、ほとんど差がない、田植えのための苗作りだけが異なる。それでいて乳苗は味が良いとか、収量も0.5俵/10a増収する。このことをあらためて検証する。
3. 不耕起栽培は湛水化して生き物豊かが売りになっているが中干しをしないで、その後、湛水化を維持できるか、すなわち6月末の中干しを8月初旬まで遅らせる。
4. 8月上旬から水田の水切りを実施する。き裂ができるほどの間断潅水を導入してみる。
5. 施肥の仕方
側条、元肥方式、無肥料(米ヌカ程度)、秋からの冬期湛水の継続でイトミミズの活動が田植えまで続けば無肥料が可能になる、そこから乳苗を導入しSRIの考えは8月初旬から応用する。
これらの比較、無肥料など比較してみる。
(参考資料)
60株/坪 30cm×18cm / 50株/坪 30cm×22cm
45株/坪 30cm×24cm 45株×2本植え=90本/坪 (300坪)27,000本/10a
45株×3本植え=135本/坪 (300坪)40,500本/10a
70g/箱 2,000~2,500本 150g/箱 5,000本
140g/箱 4,000本→7箱28,000本~10箱40,000本
森さんは12~13箱準備している。
37株/坪 30cm×30cm 37株×2本植え=74本/坪 (300坪)22,200本/10a
37株×3本植え=111本/坪 (300坪)33,300本/10a
140g/箱 4,000本→6箱24,000本~8箱32,000本
課題-2(2009.12.25.スリランカにて)
不耕起栽培・湛水化の技術は生き物との共生、そして無農薬で安全な農法として最高の農法として認定されつつある。その時期にあって同じ岩澤信夫が農薬、特に除草剤を使うとか、化学肥料を使う農法に戻ってしまえば社会的評価が地に落ちてしまう。
ただ、東大柏キャンパスで山路教授のSRIと言っている-今になって思えば森重之さんの乳苗を見学し、検証した技術を応用して実験しているに過ぎないとわかったが-その苗の生育状態を見て岩澤はSRI農法の苗は、不耕起栽培の苗の育ち方と同じであり、これが1トン採りにつながっていけば面白いということである。
千葉ではこれまでコシヒカリでは、せいぜい9俵、10俵の世界であり、その時のコシヒカリは草丈が120cmにもなり倒れてしまう。倒れれば機械での作業性が落ちる。コシヒカリの枠で考えると1株当たり15~20本、せいぜい110cm止まりのコシヒカリの姿が千葉県では目標の姿となる。長野・高山村ではコシヒカリで今年も720kg-12俵の実績がある。これは登熟期間が長くなり、収穫期が千葉より1ヶ月前後長くなるためである。千葉で長野のように収穫時期を遅らせれば早く分げつした穂の米は胴割れで品質が落ちる。
たまたま市原の森重之さんの所では、ハイブリッド米でミツヒカリ2005、2003を10年前導入し、10月中・下旬の刈り入れで、多収穫750kg-12.5俵/10aを可能にしている話である。このミツヒカリ2005はコシヒカリと同等の味で多収穫品種でありながら味も良い。これなら千葉でもSRIの技術を確かめるのに実験品種として使ってみたい。いずれにしても不耕起・無農薬・無除草剤の技術との正合性をきずつけない夢のある物語をこわさないSRI農法の導入であって欲しい。
課題-3
スリランカの水田で直播のイネをみたが、乳苗と直播の育ち方にどのような差があるかを比較検討してみたい。
コロンボ周辺の農家に飛び込みで見てきたが、丁度4葉前後のイネに尿素を散布しているのを見た。雑草もなく密植のイネ、おそらくインディカ種だと思うが、生き物の姿はなかった。側溝に流れる水はきれいだった。コロンボは人工的な湖があちこち作られ、水の都という感じで水の心配はないようであった。