29Lib 分館

図書館・情報学関連の雑記、読書ノート、音楽ノート、日常生活の愚痴など。

著者の学歴は気にせず、詩人のエッセイとして読むべき

2010-01-11 21:41:53 | 読書ノート
水無田気流『無頼化する女たち』新書y, 洋泉社, 2009.

  うーん、1980年代のフェミニスト言説を聞かされるような今更感。同じ「女性」に属しているというだけで、さまざまな女性の人生について一緒くたにし、社会階層を無視して議論をすすめている。だが、今の時代、エリート女性の人生戦略とヤンキー娘のそれを同じようにみなすには無理があるだろう。また、本書で女性の社会的成功の障害のように書かれている事柄が、日本社会に特有なものなのか、それとも先進国共通のものなのか、また若年層特有で男女問わないものなのか、まったく明確化されておらず、あまり分析的でない。著者は大学院で社会学を学び、大学で教えているらしいのだが…。これで慰められる女性がいるのだろうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする