ひろの東本西走!?

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第二回 午前十時の映画祭 「大脱走」を再見!

2011-02-07 23:34:44 | アート・文化

Daidassou1

大脱走
★★★★☆:90~95点

以前から気になっていたものの行く機会を逃していた「午前10時の映画祭」。先日からその第二回が始まり、私はSeries1/赤の50本(初年度に上映した50作品を新しい25劇場で上映するもの)の中から「大脱走」を観てきました。

私がこの映画を初めて観たのは中学2年のときで、TV(「ゴールデン洋画劇場」だったようです。ということは水野晴彦さんの解説か)で前後編の2回に分けて放映されたものです。当時、数学を教えて下さったT中先生が「この映画は絶対に面白いので、僕は必ず観るんや」と言っておられたのをよく覚えています。

私が映画を最もよく観たのは(TVの洋画劇場も含めてですが)中学・高校時代で、今回ウン十年ぶりに観た「大脱走」はとても懐かしく、エルマー・バーンスタイン作曲のテーマ曲が流れ出したとたんに当時の興奮と感動が鮮やかによみがえってきました。約3時間の長編で途中休憩なしですが、男達の勇壮な物語に最後までずっとひきこまれたままでした。

映画「大脱走」についてはネットに様々なデータがあると思いますが、Wikipediaにもかなり詳細なデータが掲載されており、これは後からふり返ったりするのに大変参考になります(こちら)。

**************************** 注)以下、ネタばれあり ****************************

まずは映画の冒頭、新しい収容所に移送されてきた途端に早くも数名が脱走を企てるその大胆不敵さと、それを軽く見破るドイツ軍の看守たち。ここはどちらも余裕たっぷりでユーモア感があってニンマリです。

そして、250名を一気に脱走させようという途方もない物語が始まります。これは多大な困難に立ち向かった壮大なプロジェクトの物語ととらえることができますね。リーダーである”ビッグX”ことロジャー(リチャード・アッテンボロー)以下、その道のプロが自分の仕事に全力を尽くす、その過程が最大の見せ場でしょうか。

  独房王  :ヒルツ(スティーブ・マックイーン)
  情報屋  :マック(ゴードン・ジャクソン)
  トンネル王:ダニー(チャールズ・ブロンソン)とウィリー(ジョン・レイトン)
  調達屋  :ヘンドリー(ジェームス・ガーナ-)
  偽造屋  :コリン(ドナルド・プレザンス)
  製造屋  :セジウィック(ジェームズ・コバーン)、
  土処理屋 :アシュレー(デビッド・マッカラム)、
  測量屋  :カベンディッシュ(ナイジェル・ストック)

その他、仕立て屋など一芸に秀でたクセ者、いや強者(つわもの)たちが「大脱走」という大きな目標に向かって一致団結し、しかし、各人は見張り役であろうがカモフラージュ役であろうが、自分に与えられた任務に全力を尽くします。その凄さと頼もしさが圧巻。

大脱走当日、秒刻みの行動の息詰まるような緊迫感。
そして、ヒルツが最後のたて穴をあけて地上に顔を出してみると・・・あぁ。。。

壮大な物語の中に希望と絶望、喜びと悲しみ、友情(ヒルツとアイブス、ダニーとウィリー、ヘンドリーとコリン。ロジャーとマックもそうか)などが散りばめられ、見応えたっぷりです。敵でありながら収容所の所長(親衛隊やゲシュタポに批判的)とはお互いに軍人としての責務を理解した気持ちがあるのも素晴らしかったです。

映画の終盤、ヒルツ役のスティーブ・マックイーンがバイクで逃げ回る有名なシーンは痛快で、題材的に閉塞的な映画に凄い開放感と躍動感を与えたと思います。

今回再見して、”ナイスガイ”の一匹狼・ヒルツ(スティーブ・マックイーン)と情報屋:マック(ゴードン・ジャクソン)、偽造屋:コリン(ドナルド・プレザンス)が強く印象に残りました。ゴードン・ジャクソンは名前を覚えていなかったのですが、ロジャー(リチャード・アッテンボロー)を支える有能な参謀役の存在感が素晴らしかったです。

映画では無事に国外に脱出できたのは76名中3名。この大脱走に意味があったのかどうかは考え方しだいだという連合軍捕虜の先任将校ラムゼイ(ジェームズ・ドナルド)の言葉も印象的でした。

書き出せばきりがありませんね。

「大脱走」、名作は死なず!
このような作品を劇場のスクリーンで再見できて幸せでした。
第二回 午前十時の映画祭、もっと行くぞー!