ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

プラハ・ウィーン旅行記(第5日目-3)

2008-04-22 22:10:32 | まち歩き

いつになったら終わる?プラハ・ウィーン旅行記(汗)。

「ウィーン楽友協会」の内部見学ツアーの後は、チョコレートケーキ”ザッハー・トルテ”で有名な「カフェ・ザッハー」でひと休みです。店内は壁・絨毯の”深紅”と建具・家具の”白と黒”の組み合わせが優雅な雰囲気を醸し出していました。”ザッハー・トルテ”は、生地の中にジャムが挟みこまれていてなかなか美味しかったのですが、私たちが案内された席の両隣も日本人客で、それだけがちょっと物足りなかったです。

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↑これは、国立歌劇場です。

次に目指したのが、私が建築的に「シェーンブルン宮殿」よりも期待していた「ベルヴェデーレ宮殿」です。そして、宮殿に到着する頃には嬉しいことに青空が大きく広がってきました!この旅行で一番の好天です。やったね。やや平面的で装飾も控えめだった「シェーンブルン宮殿」に比べて「ベルヴェデーレ宮殿」の何と美しく表情豊かなこと!前の池に写る建物の姿を写真に収めようとしたのですが、風がやや強く波が立ってもうちょいでした。惜しいなあ。。。

この宮殿の上宮は「19・20世紀絵画館」になっており、グスタフ・クリムトやエゴン・シーレなどの名作が展示されています。クリムトの代表作「接吻」は金箔がふんだんに使われ、その大きさもあって一番感動的でした。また、夏の離宮である建物内部も超ゴージャスで凄かったですし、窓越しに眺めた庭と下宮の景色も素晴らしかったです。これで花が咲いていたら文句なしですが、これは季節的に無いものねだりですね。天候の影響も大なのですが、感銘度は「シェーンブルン宮殿」:40点、「ベルヴェデーレ宮殿」:95点でした。

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その後、路面電車でカールスプラッツに戻って「カールス・プラッツ駅舎」(オットー・ヴァーグナー)を再訪しました。奥には「カール教会」も見えており、なかなか素晴らしい眺めです。「カールス・プラッツ駅舎」は、曇りのときには冴えなかった金色がキラキラ輝いて、いと美しでした。

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我が家の中学受験プロジェクト-3

2008-04-21 22:54:15 | 受験・学校

【情報収集-1】

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まずは受験情報誌(春から初夏にかけて出版される分厚いやつです)2冊ほどをさーっと読んで、大阪の中高一貫校にどんなところがあるか概要をつかみました。

教育方針や校風、しつけや生活指導面などについても書かれていますが、これらは実際にその学校に行ってみないと分かりませんね。当然、きちんとした学力をつけてくれるかも大事です。これについては、やはりここ数年の大学進学状況などを参考にせざるを得ませんでした。

自分たちの頃には殆ど名前を聞いたこともなかったような学校が最近伸びてきていたりで「へえーっ!」と思うことも多々ありました。最近は、2クラスくらいを特進クラス・進学クラスにして大学合格実績を上げようとしている学校が多数ありますが、やはり学校全体のレベルが総じて高い方が好ましいとは思います。その意味では、伝統的な進学校が良いとも言えるのですが、これらは超難関校・難関校が多いので、学力的にはちょっと厳しい面があります。

受験情報誌には目標偏差値とか合格難易度なども掲載されていましたが、まあこれはほんの参考程度にしかしませんでした。ただ、学校間にランク付けがなされているのは事実ですので、合格難易度的に志望校リスト作りの目安にはしました。
そうそう、自宅からあまりに遠い学校は除外です。まだ体ができていない中1生が重いカバンを持って長時間通学するのはかわいそうですし、そこまでするメリットはないと考えました。通学時間は短いほど良く、最長でも片道1時間ちょっとくらいですね。と言うことで、色んな点で似たようなレベルの学校が幾つかあれば、よほどの理由がない限り、近くの学校を優先させることにしました。これは今も正解だったと思っています。

これらの中から行かせてもいいな、行けたらいいなと思う学校をピックアップしたところ、とりあえずは男子校:4校、共学校:6校くらいになりました。

※結果的にT大・K大などに多数の合格者を出す超難関校と呼ばれる
  学校は最初から除外していました。
     全国的に超有名な「灘中学・高校」だけは建築好きの私が校舎に
     興味があったので写真を撮りにだけいきましたが・・・。

前の年(小学校5年生時)の入試説明会には、男子校:3校、共学校:3校に行きました。長男も連れて行ったのは内3校です(これはたまたまですが)。学校によって説明会の雰囲気・内容(どこに重点を置くか)、が大きく異なることがよく分かり大変参考になりました。比較的生徒の自主性にまかせるタイプの学校か、手とり足とり(?)指導してくれる学校かなども大体分かります。但し、どちらが良いか、向いているかは子供にもよりますし、その見極めが肝心です。学校周辺の環境・雰囲気も肝心ですね。この年は既に運動会や文化祭は終わっていたので見学できず、これは残念でしたが、1年前に説明会を聞きにいっておいたことは大正解でした。

なお、受験関連本も色々読んだのですが、一番最初に読んだのが図書館でふと目にとまった

 ★「中学受験で子供と遊ぼう」 (文春文庫) 高橋 秀樹 牧嶋 博子

でした。世間でもバイブル的な本だということは後に知ったのですが、一番最初にこの本を読んだのはとても良かったです。この本を読んで、我が家の(私の)基本スタンスも”親も子も精神的に余裕を持って、色々楽しみながら中学受験に臨む”に決まりましたし。

先日、この本を再読しました。一番最初に読んだときほどのインパクトはさすがになかったですが、内容的にはやはり面白かったです。ただ、ここのお子さんは武蔵中→武蔵高→東大と進まれ、偏差値的にも高いレベルでしたが。

結局、私は”子供はこうやって超難関校に合格した(こうやって合格させた)”とか、”偏差値ウン十点アップの秘訣”とかのハウ・ツー的な本は殆ど読まず、もっぱら、子供をどのように育てるか、子供がどのようにしたら伸びていくかといった本を読んでいました。

もちろん、多少は受験ノウハウ的な内容も含まれていますが、親としての基本的なスタンス、考え方や見方などについて書かれた本をよく読みました。これも正解だったと自分では感じています。受験関連本についてはまた別項目でも書く予定です。

結局、塾が小さなところだったこともあって、後から考えたら、情報収集は全部自分たちでやっていました。これは当然かな?もちろん、志望校(受験校)を決める前には塾の先生と相談しましたが、先生の考えと我が家の考えはほぼぴったりと一致しました。これも、親が自分たちで色々調べて納得していたからだと思います。


稲野から塚口へ(その2)

2008-04-21 00:38:20 | まち歩き

稲野から塚口へのブラブラ探訪の最後に出くわしたのがこのお宅です。最初は道路の中に生えている松に目が行き、次に目に入ったのが煙突でした。おおーっ!スパニッシュ風?

期待感に胸を膨らませて近づくと、それはそれはとびっきりのお宅でした。ところが、夕方で暗くなってきたこともあってか、写真の色がさえません(涙)。

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樹木が立派すぎてやや見づらいのですが、外壁はスタッコ調。正面道路に面した部分は建物の側面にあたるようで、比較的穏やかです。しかし、南面が凄いです。

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1階のリビング(?)の窓はフランス窓のようで、直接外に出ることができるようです。そして、2階にはバルコニーに面して何と5つのアーチ付き窓が見えています。これは圧巻です。瓦が和風の桟瓦なので完全なスパニッシュとは言えないかもしれませんが、これだけのお宅はなかなかありません。

ディーテールも凄いのですが、全体的な佇まいが素晴らしく、場所的にも駅から近すぎず遠すぎずで、レストランやカフェにしても最高だろうなとも思いました。と、勝手に決めつけてはいけませんね。

探訪の最後に素晴らしいお宅を見つけて大満足でした。歩く道が一筋違っていたら、このお宅に巡り会ったかどうか。日頃からまち歩きをしているためか、ここぞというところで勘がはたらいたようで、良かった良かった。

この日は朝の8時から17時半頃まで、電車での移動と昼食時以外はずーっと歩きづめでさすがにバテましたが、明確な目的物件なしのブラブラまち歩きの醍醐味を存分に堪能しました。


稲野から塚口へ(その1)

2008-04-18 23:01:36 | まち歩き

「関西 洋風建築めぐり」講座の見学が15時30分頃に終了後、まだ日も高いし、稲野~塚口方面をブラブラすることにしました。以前にも、ぷにょさん情報に基づいて阪急・稲野駅~塚口駅まで線路の東側の住宅街を探訪したことがあります。あれ?このときの記事を自分ではアップし忘れているようです。

今回もまずは稲野駅のすぐそばのお宅を拝見。

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線路脇にあって驚くほどインパクトのあるこのお宅、2階部分に該当する玄関ポーチが立派です。窓枠などの木部はかなり傷みが目立ちますが、それ故に味わいも感じますね。基部はコンクリートなのですが、これは後年に打ったものでしょうか。元々はどうなっていたのかな?

全体的には外観にもう少し変化というか凹凸があった方が私好みなのですが、極上のお宅であることに間違いはありません。このお宅はまた、門柱の石が見事で、特に赤みを帯びた石が極上の美しさでした。

この後どのように歩こうかということになり、ぷにょさんと相談して今回は線路の西側エリアを探訪することにしました。私はこちらを歩くのは初めてです。

さて、歩き出してみると、生け垣や石垣、樹木の雰囲気などはなかなか良さ気で、面白建物が出てきそうな雰囲気はあるのですが、今いちピンとくるものに出くわしません。うーん、雰囲気はあるんやけどなあ・・・

などと言っているうちに、玄関部のアーチが美しいお宅やモダニズム建築、更にはこんな所にこんな建物が!と思うようなものがじわじわと現れました。

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このお宅は、瓦、玄関部のアーチと足元のタイル、木製建具、窓上の小庇などが面白いです。

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曲がり角に来るたびに鼻をクンクンさせて(?)どっちへ進むかを決めてあっちへウロウロ、こっちへウロウロを繰り返しました。こうやって写真を並べてみると、結構色んな建物があったことが分かります。

ふと遠くを見やると、道路内に1本の松の木が生えており、趣のある煙突が目に入りました。そして近づいていくと、そこにはとびっきりのお宅があったのでした。以下、その2に続く。長く引っ張ってすいません(既にぷにょさんが記事をアップされています)。


東リ・本社工場見学

2008-04-14 23:19:25 | まち歩き

先週の土曜日は「関西 洋風建築めぐり」講座の今期(上半期)初の見学会でした。私がこの講座に参加したのは半年前からなのですが、継続申し込みをされた方が多かったようで、この日も盛況でした。ところが、この日は神戸線のダイヤが乱れていたこともあって(?)、JR・大阪駅から福知山線(宝塚線)に乗ったつもりが西明石行きに乗り間違い。いきなりの遅刻で集合時間に間に合わず焦りましたが、現地で何とか追いついてリカバリーしました。

この日の見学先はJR猪名寺駅から徒歩10分の距離にある「東リ株式会社 本社工場」です。旧本館事務所(大正9年竣工)はハーフチンバー風で下見板張りの美しい姿を敷地外からも眺めることができるのですが、今までこの建物のことを聞いたことがなく、本などで紹介されていた記憶もありません。しかし、設計は「綿業会館」などで有名な名手・渡辺節であり、前面が広くとられた開放的な場所に佇む端正ながらも優美な姿が絵になります。私は知らなかったのですが、この建物は地域ではシンボル的な存在のようですね。

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ぷにょさんのブログ”まちかど逍遥”にも詳しい報告があり、内容はかなりかぶりますがご容赦ください。
事務棟の内部はかなり手が入っているようでしたが、一階には柱頭飾りがついた木製の柱があり、天井と壁の接する部分には大きなカーブが施されているなど、往時を偲ばせます。
工場棟が竣工した当時の鳥瞰図や写真も飾られており、その当時の姿を伝えるこれらの資料は大変貴重かつ素晴らしいです。また、大学の先生が小屋裏を調査されたときに見つかった棟札も見せて頂くことができました。設計:渡辺節、請負:鴻池忠三郎といった文字も読めます。これまた素晴らしい!

正門の位置が変わった際に事務所も建物の向きが変更されたそうです。昔の写真や絵
などを見たところ、横方向の移動はそれほど無かった模様ですが、やはり動かす(曳き家する)のは大変だったでしょうね。

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同様に掲示されていた図面のコピーを見ると、事務所には浴室もあり、そこには五右衛門風呂とおぼしき釜が描かれていました。むかーし、幼い頃、祖母の家には五右衛門風呂があり、板をそーっと沈めて切り欠き部を釜の突起部に合わせて入ったり、焚き口に木や紙をくべたことなどを思い出しました。これは貴重な思い出です。

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2階にはリノリウム関係の資料が多数並べられていました。現在ではリノリウム製品そのものは生産されていないとのでしたが、これらも貴重な文化資料・産業資料です。また、隣の小部屋は、建物の構造を調べるために天井・床・壁の一部がはがされた状態がそのまま残っていました。これらも貴重ですね。引率の先生が内外壁の間に”もみがら”などの断熱材が入っていたか尋ねられましたが、それは無かったそうです。

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その後、工場敷地内をぐるりと回り、旧乾燥室などを見学しました。ここは高さ15mくらいの吹き抜けの大空間になっており、なかなか壮観です。製造工程資料などを見ると、乾燥=酸化熟成の処理だったようです。外観的に昔からの状態で残っているのは一部だけのようでしたが、屋上部分にはかつて外灯が点っていたらしい場所もありました。

私が他に気に入ったのは、鉄工室の看板がかけられていた小さな建物です。質実剛健といった趣のがっしりした建物でしたが、窓は大きく、たっぷりと光が入りそうなのが印象的でした。

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「東リ」さんは創建当時からある建物を大切に残し、その建築的価値を調査で裏付け、更には資料館として活用しようとされているそうで、その姿勢がとても好ましいです。工場建築でも素晴らしいものは幾つかあるのですが、一般の人が目にする機会は少なく、このような場を設けて頂いて本当に素晴らしかったです。「東リ」さんにはこれからもずっと活用し続けて頂きたいと思いました。

この日は朝早くから千里山西の住宅街を再訪し、午後からはこの見学会。さらにこの後、稲野・塚口のまち歩きを敢行し、夕方にはヘトヘトになりました。しかし、最後の最後にとびっきりの住宅を発見!これについてはまた別の記事でアップします。