先日、久々に平日の夜のコンサートに行ってきました。プログラムは下記です。
①ロッシーニ:
歌劇 「セヴィリアの理髪師」序曲
②グリーグ:
ピアノ協奏曲 イ短調 op.16
③ドヴォルザーク:
交響曲 第8番 ト長調 op.88
[指 揮]小林研一郎
[ピ ア ノ]野原みどり
[管弦楽]大阪フィルハーモニー交響楽団
コバケンさん/大フィルのコンサートは最近では2月にベートヴェン「6番」&「7番」を夫婦で聴きにいきました。そのときの感想はこちら。
①ロッシーニはコンサートでは全く初めてで、今回は予習もなしだったのですが、聴いてみると何となく聞き覚えのあるメロディもあってなかなか良かったです。オケも後半のシンフォニーとほぼ同じ編成でした。
②グリーグのピアノ協奏曲もCDによる予習は2回くらいでしたが、4月に聴いたリストのピアノ協奏曲よりもメロディが覚えやすくて、その分素人には分かりやすくて良かったです(汗)。野原さんも熱演でした。第1楽章カデンツァでの低音部など凄みあり。演奏後にブラボー(ブラヴァ?)の歓声と花束贈呈あり。コバケンさんは確かオケメンバーではホルン(トップ)、オーボエ(トップ)、チェロ(トップ)を指名して演奏を讃えられたかと思います。
この日のメインはやはり後半のシンフォニーと考えられ、プログラム的にロッシーニ、グリーグ、ドヴォルザークと進むにつれて盛り上がっていくパターンとは思いましたが、野原さんの演奏には更にもう一段盛大な拍手があっても良かったと思いました。定期演奏会ではないので、私は野原さんのアンコールも聴きたかったですね。
20分の休憩を挟んでいよいよ③ドヴォルザークです。万がいち咳が出そうになったときのための飴の準備in胸ポケットも怠りなし。「8番」は時には「9番(新世界より)」よりも上位にランクするくらい好きな曲で、全体的な印象は2009年11月にブルノ・フィルで聴いたときとほぼ同じだったと思います。
第1楽章、最初の方は管と弦の音のブレンド的なものがと予想していたものとちょっ違って一瞬”あれっ?”とも感じたのですが、次第にそれは気にならなくなり、フルートトップ(若い方か)の美しい音色や中盤過ぎのトランペットの実に良い響きなどもあり、以降は素晴らしかったです。第2楽章はブルノ・フィルの時も特に印象に残ったようで、今回も極上でした。美しい弦の調べで始まる第3楽章。途中からコバケンさんは指揮台の上で気持ちよさそうに踊っておられました(笑?)。フィナーレは序奏のファンファーレ的なトランペットが見事で、コーダはコバケンさんも行け行けモードで、楽器を高く掲げ&わざと割れるような音色のホルンも素晴らしく、華やかに盛り上がって終了。ホール内は大きなブラボーの声と大拍手の渦に包まれました。いやはや凄かったです。手元メモによるとこの日、個人的には第2楽章&第4楽章>第3楽章>第1楽章といった印象だったようです。
弦は終始安定しており、個々では、フルート(トップ)、トランペット、コンマス、チェロ、ティンパニが特に印象的でした。演奏後、コバケンさんはまず、コンマス→フルートトップ→チェロトップの好演を讃えられ、以後は各セクションに赴いてオケ全員に感謝されていました。個人的には、最初の指名でトランペットとティンパニーの方も讃えてほしかったなあ(笑)。
その後、コバケンさんと客演コンサートマスター・田野倉さんに花束の贈呈がありました。そして、コバケンさんは花束から何本かを抜いて・・・何と、フルートトップの方に花を投げられました。更に、オケの中央後方に向かって再び花の遠投です!これはクラリネットトップ・トランペットトップの頭上を越えてティンパニーの方が見事ゲット!クラリネット・トランペット・ティンパニーいずれも熱演だったので、これもまた良し!会場は凄い盛り上がり方でした。クラシックのコンサートで指揮者が花束を近くの弦の女性奏者に渡したりは見ることがありますが、オケ最後方まで投げられた方は初めて見ました。あー、ビックリした。。。
アンコールは2曲でした。
①ユーモレスク(ドヴォルザーク)
②ふるさと
①は弦のみの演奏ですが、コバケンさんも「本来はユーモアのある曲なのですが・・・」と話されていたように結構分厚い演奏でした。弱音で終わり、コバケンさんが腕を下ろされるまでの静寂も素晴らしかったです。そして、「オケは全力で演奏して疲れきっているので先に休んでもらいましょう」とのことで、オケメンバーが下がった後にコバケンさんが一人でピアノを弾かれての大合唱となりました。今年は東日本大震災があって復興真っ最中ですが、このアンコールピースも心がこもっていて良かったです。
コバケさん/大フィルでのドヴォルザーク8番は初めてだったそうで、演奏する喜び、指揮する喜び、聴く喜び&見る楽しみが感じられた情熱的にしてハートフルな素晴らしいコンサートでした。この日はフライングブラボーなしで、余韻や静寂を大事にする聴衆も最高でしたね。コバケンさんもそれを嬉しく思われているようでした。
この日、ライブならではの音のダイナミックレンジの広さにも大感動。予習で聴いた下記のCDも素晴らしいのですが、ライブの迫力にはかないません。また、チェロメンバーの体の揺れなどは、その音色が人の声に一番近いということとも相まって?こちらも実に心地良かったです。
◎予習に聴いたCD
②グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調
ホルヘ・ボレット(ピアノ)
リッカルド・シャイー(指揮)
ベルリン放送交響楽団
1985年
③ドヴォルザーク 交響曲 第8番 ト長調
イシュトヴァン・ケルテス指揮
ロンドン交響楽団
1963年
◎参考ブログ
涼羅さんの”さくら組ブログ”