極楽橋駅に続いて高野山の近代建築-2は、高野山駅(昭和5年)です。
コンコースは格天井・円柱・丸窓・改札口などが特徴的。
2階にはやはり格天井の広い待合室があり、隣接する展望室(ここは元々は屋外だったそうな)、貴賓室なども古い佇まいがよく残っていました。
鋲打ちされたベニヤ板の腰壁が珍しいです。これはウィーンのオットー・ワグナーをはじめとするモダンデザインの影響とのことでした(郵便貯金会館とか)。へえーっ!
↓郵便貯金会館(ウィーン、オットー・ワグナー)
外観も寺院風というか和洋折衷が独特の味わいで、方形屋根頂部の水煙の宝珠や軒下の巨大な持ち送りが印象的です。壁面を水平に分割するように伸びる木桟が屋根形状に合わせて折れ曲がりをみせるのは、オランダのデ・スティールなどのヨーロッパ前衛建築の影響をみることができるそうです。
開業当時の写真を見ると、現在よりも更に和洋折衷の不思議な感じが強かったようですね。何となく武田五一の藤井有隣館(大正15年)と似たような印象もあります。
↓藤井有隣館(京都市)