ひろの東本西走!?

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クラインの壺(岡嶋二人)

2005-11-03 22:20:00 | 本と雑誌
kurain-2クラインの壺(新潮社)
★★★★~★★★★☆’:80~85点

アトマツさんのブログ

gracemomoさんのブログ
で紹介されていた「クラインの壺」。

あなたはもう現実に戻れない

常識を遙かに超える疑似体験ゲーム機「クラインの壺」が開発された。スクリーンに映すべき映像を網膜に直接映し、聴覚嗅覚触覚、全てが現実そのままに感受される・・・。だがそのテストモニターが消え、謎の組織が動き始めたとき・・・。緊迫の展開、驚異の結末、新たなミステリー世界が誕生した。

******************* 【注意】以下、ネタバレあり *******************

そこそこの長さがありましたが、1日ちょっとで一気読みしました。アトマツさん曰く・・・・・・あれ?何でしたっけ? 「驚愕の第1ページ」? 確かに、これはユニーク。こんな出だしの小説はちょっとないでしょうね。私はこれが物語の最後に何らかの形で出てくるか、ここにも謎が隠されていると思いこんでいたのですが・・・。”指紋”も跡がついた場所といい、意味深長な気がしたのに関係なし?ひょっとして何か私の見落としなんてことはないのかな?もし、見落としがあったとしたら、逆に嬉しくて5点アップじゃ!

読んでいるうちに、登場人物を含めてどこまでが真実でどこからが虚構か分からなくなってしまいました。謎の組織についても特に疑ってなかったなあ。主人公たちを研究所まで目隠し状態で乗せて運ぶワゴン車自体が「クラインの壺」なのでは?と何となく推理したのですが、ちょっと違っていましたね。大きな意味では見事に騙されていたと言えますね。それにしても、真のバーチャルリアリティゲームを1989年に描いたというのは凄い!

後半のシリアスさが結構気に入っていたので、ラストで(明るさを含めて)拍子抜けした感は否めません。騙されていたのにねえ。でも、もっと超大ドンデンがえしが欲しかったです。
プロローグとエピローグからすると、主人公は本当に精神的に自己崩壊してしまったのだろうか。そこまでの悩み・苦しみだったのか・・・。ちょっと理解に苦しみました。