ひろの東本西走!?

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半落ち(横山秀夫)

2005-01-27 21:53:00 | 17:や行の作家
hanochi-1半落ち
(講談社)

直木賞へ決別宣言することになった横山秀夫の問題作。

横山作品は「陰の季節」「動機」と読んで、その着眼点・描写力・人物造形力に舌を巻いていました。
本作品では、1つの事件を異なった立場の6人の視点で時系列的に描く手法が斬新でしたが、主人公の心情が分からないもどかしさも。後の「クライマーズ・ハイ」に比べると、やや深みと熱気に欠ける気もしましたが、ラストまで明らかにされない謎には大いに惹きつけられました。最後の方は後ろを隠しながら読んだほどでした。ああ、慟哭の会話・・・。

直木賞選考の際に指摘された問題点は読んでいる最中は全然分からず。選評を読んでも、受賞を逃したのはこの問題点のせいだけではないようでしたし、私の評価もほぼ同様です。「陰の季節」「クライマーズ・ハイ」の方を上位に置きますね。